大河ドラマ『天地人』第5回「信長は鬼か」

 昨日放送分の感想です。冒頭の兼続と初音の会話には脱力してしまいました。コントの一場面というか学芸会というか、大河ドラマとしてはあってはならない場面を見てしまった気分です。これは私の持論なのですが、大根役者でも、演技力が水準以上の人との演技は、破壊的なものになる可能性は低くなります。しかし、大根役者同士の演技となると、破滅的なものになる可能性が高くなります。今回の冒頭は、その悪例の典型と言うべきでしょう。もっとも、初音役の長澤まさみさんは台詞回しに難があるとはいえ、表情の作り方には見るべきものがあると思います。もっと台詞回しが上手くなれば、大女優への道も開けてくると思うのですが。

 信長の描写は通俗的なもので、謙信との対照性が強調された感がありますが、ドラマなのだからこういう描写もありかな、と思います。ドラマはあくまで娯楽作品であり、歴史を題材にしているとはいえ、まず話として面白くなければなりません。信長役の方の演技は予想していたよりもよくて、信長と兼続との会話が破滅的なものにならなかったのは何よりでした。謙信役の阿部寛氏の演技は相変わらず安定して素晴らしいのですが、残りの登場回数が少なそうなのが残念です。兼続とお船との関係にも進展が見られましたが、ちょっと描写が直接的すぎるというか、伏線になりきれていなかったように見えるのは残念でした。

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