調理と人類の進化

 調理と人類の進化についての研究が報道されました。調理により人類は効率的にエネルギーを得られるようになり、柔らかくして食べることができるようになったため、顎など咀嚼に関係する骨格部分が華奢になることが可能だった、とされます。この研究でも、そうした点が改めて指摘されています。確かにこの報道でも指摘されているように、人類が他の類人猿よりも生存面で有利にたった理由の一つに、調理があるとは言えるでしょう。

 調理の起源について、この報道ではエレクトスまでさかのぼるとされていますが、これは、人類が火をどのていど管理できたかという問題とも密接に関連しているでしょうから、現時点では、最初期のエレクトスが調理をしていたと言えるのか、疑問の残るところです。もちろん、最初期のエレクトスがかなりのていど火を管理できていた可能性もあるとは思います。調理が始められた理由について、この報道では食事に要するエネルギーの削減が指摘されていますが、それよりも、味覚のほうが大きな要因だったように思われます。おそらく、偶然に焼けた肉などを食べて美味いと思った人類集団が、意図的に加熱処理して肉や根茎などを食べるようになったのでしょう。

この記事へのコメント

2009年02月18日 15:48
こんにちは。今日ブログを初めて読ませていただきました。縄文人の平均寿命を調べているうちにたどり着きました。縄文時代には夏至・冬至ネットワークが確立されており、北ユーラシアの文化と繋がりがあるという栗本慎一郎さんの説に興味があり、縄文時代の文化的背景を見直さなければならないという思いがして、非常に緩慢ながら独学している最中です。歴史を考察するうえで、現代の我々の価値観などをふくめたいわゆる一般常識なるものに縛られてはいけないようですね。
競馬の記事を書かれておられるようで、私も競馬が大大好きです。
今週のフェブラリーステークスが楽しみですね。
私のアホみたいなブログですが、死ぬほど暇な時にでも見てやってください。
http://peace-of-hana.blog.ocn.ne.jp/blog/
2009年02月19日 06:42
華さん、はじめまして。今後ともよろしくお願い申し仕上げます。

「歴史を考察するうえで、現代の我々の価値観などをふくめたいわゆる一般常識なるものに縛られてはいけない」とのご意見には私も同感で、そのように心がけてはいるのですが、未熟なためになかなかそうもいきません。

この記事へのトラックバック