先スペイン期の南米における祭祀

 先スペイン期の南米における祭祀について論じた研究(Iriarte et al., 2008)が報道されました。ブラジルやアルゼンチンの高地に点在する12~13世紀の埋葬塚を発掘したところ、土造りの炉が非常に数多く発見され、共同体の長老を追悼する祭りが習慣的に催されていた可能性が示唆されました。

 12~13世紀世紀当時、この地域に暮らしていたとされるフェ族については、トウモロコシと蜂蜜で作ったアルコール飲料を頻繁に飲んでいたという記録が残っています。トウモロコシのカスが付着した陶磁器製の飲酒用コップやボウル、種類は不明ではあるものの動物の肉の食べ残しなども見つかっていることから、この論文の筆頭著者であるホセ=イリアルテ教授は、トウモロコシや儀式のときによく食べられていた松の実が豊富な時期に祭りは行われており、重要な人物を埋葬した共同墓地の近くで、炉で蒸した肉やトウモロコシで作ったビールを楽しんでいた、と考えています。

 これまで、フェ族は小規模な遊牧民集団だと考えられてきました。しかしイリアルテ教授は、この研究によりじゅうらいの説は覆されたのであり、南アメリカ大陸のこの地域では、意外にも、組織化されたかなり大きな集団が局地的に発達していたようだ、と述べています。


参考文献:
Iriarte J. et al.(2008): Monumental burials and memorial feasting: an example from the southern Brazilian highlands. Antiquity, 82, 318, 947–961.
http://www.antiquity.ac.uk/ant/082/ant0820947.htm

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック