小学館『日本の歴史』11冊目の刊行となります。災害と「治」をめぐるせめぎ合いという観点から、18世紀の日本社会が描かれます。著者は、この二つの観点を基礎におきつつ、18世紀の日本社会の様相を多岐にわたって論じており、博学だな、との印象を受けました。
本書は、一般向け概説書としてなかなかの出来だと思いますが、武家社会や百姓社会についても、やや詳しく具体的な事例が引用されており、江戸時代の日本社会史についての一般向け参考文献としても、なかなか優れているのではないかと思います。何度も読み直してみたいと思う本は、それほど多くはないのですが、本書は文句なしに、もう一度読み直してみたいと思う一冊です。
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