インド洋における津波の歴史

 インド洋における津波の歴史を追及した研究(Jankaew et al., 2008、Monecke et al., 2008)が報道されました。タイ西部の砂州島であるプラ=トンにおいて、沼のような湿地の黒い土壌に保存された過去の津波の堆積層記録が発見された、とのことです。最上部の淡い層は2004年の大津波によるもので、その下の同じような層は、14~15世紀頃の津波の記録とのことです。また、古い層は2200~2400年前以降に形成された、と推測されています。

 インドネシアのアチェ州で行われた別の調査では、2004年の大津波よりも前に、津波により形成されたと考えられる3つの層が確認されました。そのうちの1つは、記録にも残っている、1907年の小さな津波によるものかもしれません。残りの2つの層は、1290~1400年頃と、780~990年頃の直後に形成されたもので、それ以前の津波の痕跡と考えられますが、前者はタイのプラ=トン島における14~15世紀頃の津波の記録と一致する可能性があります。


参考文献:
Jankaew K. et al.(2008): Medieval forewarning of the 2004 Indian Ocean tsunami in Thailand. Nature, 455, 1228-1231.
http://dx.doi.org/10.1038/nature07373

Monecke K. et al.(2008): A 1,000-year sediment record of tsunami recurrence in northern Sumatra. Nature, 455, 1232-1234.
http://dx.doi.org/10.1038/nature07374

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