ネアンデルタール人の鼻の大きさについての説明
ネアンデルタール人の鼻の大きさについて、じゅうらいの説を見直した研究(Holton, and Franciscus., 2008)が公表されました。まだ要約しか読んでいませんが、ブログの記事でやや詳しく知ることができました。この研究では、ネアンデルタール人も含む更新世の人類(ユーラシアとアフリカ)とともに、多数の現代人(バンツー族と西欧人)も分析対象とされました。
短い四肢・比較的低身長で横幅のある体格など、ネアンデルタール人は寒冷適応体型をしていると考えられていますが、ネアンデルタール人の解剖学的特徴において寒冷適応で説明できないのが、その大きな鼻だとされています。そのため、大きな前方口蓋、とくに犬歯間の幅の大きさの故に、ネアンデルタール人の鼻は大きいのだ、と説明されてきました。
しかしこの研究では、多数の標本の分析の結果、犬歯間の幅と鼻の幅との間の関連性は予想されていたよりも弱く、前方口蓋幅の個体発生論的発達は、鼻の幅の成長曲線と一致していない、と結論づけられています。この研究では、こうした結果は、適応的・非適応的の両側面から、ネアンデルタール人の顔面進化への考察を提供することになるだろう、と指摘しています。
参考文献:
Holton NE, and Franciscus RG.(2008): The paradox of a wide nasal aperture in cold-adapted Neandertals: a causal assessment. Journal of Human Evolution, 55, 6, 942-951.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2008.07.001
短い四肢・比較的低身長で横幅のある体格など、ネアンデルタール人は寒冷適応体型をしていると考えられていますが、ネアンデルタール人の解剖学的特徴において寒冷適応で説明できないのが、その大きな鼻だとされています。そのため、大きな前方口蓋、とくに犬歯間の幅の大きさの故に、ネアンデルタール人の鼻は大きいのだ、と説明されてきました。
しかしこの研究では、多数の標本の分析の結果、犬歯間の幅と鼻の幅との間の関連性は予想されていたよりも弱く、前方口蓋幅の個体発生論的発達は、鼻の幅の成長曲線と一致していない、と結論づけられています。この研究では、こうした結果は、適応的・非適応的の両側面から、ネアンデルタール人の顔面進化への考察を提供することになるだろう、と指摘しています。
参考文献:
Holton NE, and Franciscus RG.(2008): The paradox of a wide nasal aperture in cold-adapted Neandertals: a causal assessment. Journal of Human Evolution, 55, 6, 942-951.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2008.07.001
この記事へのコメント