ボノボによるチンパンジーの狩猟?
ボノボ(Pan paniscus、ピグミーチンパンジー)がチンパンジー(Pan troglodytes)を狩って食べることが判明した、と報道されました。この報道によると、ボノボがチンパンジーを狩ってその肉を食す例が確認された、とのことです。しかし、ボノボとチンパンジーがそれほど近接して暮らしているのだろうか、と疑問に思っていたところ、あるブログの記事で、この報道が間違いであることと、この報道の情報源となった研究(Surbeck, and Hohmann., 2008)とを知りました。
この研究はまだ要約しか読んでいませんが、上記のブログの指摘通り、この報道は間違いのようです。この研究では、コンゴのサロンガ国立公園におけるボノボの観察が報告されています。チンパンジーが樹上性の集団で暮らしている猿(monkey)をしばしば狩るのにたいして、ボノボは齧歯類などのような中間サイズで地上性の動物を単独で狩っている、と考えられてきました。
こうした見解により、同じパン属であるボノボとチンパンジーとの分岐した進化が説明されてきましたが、この研究によると、野生のボノボは、昼行性・樹上性で集団生活を営んでいる霊長類を狩ることもある、とのことです。これにより、ボノボとチンパンジーの狩猟対象については、じゅうらい考えられていたよりも共通する側面が多い、と言えそうです。この研究は、初期人類の行動についての参考にもなりそうです。
参考文献:
Surbeck M, and Hohmann G.(2008): Primate hunting by bonobos at LuiKotale, Salonga National Park. Current Biology, 18, 19, 906-907.
http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2008.08.040
この研究はまだ要約しか読んでいませんが、上記のブログの指摘通り、この報道は間違いのようです。この研究では、コンゴのサロンガ国立公園におけるボノボの観察が報告されています。チンパンジーが樹上性の集団で暮らしている猿(monkey)をしばしば狩るのにたいして、ボノボは齧歯類などのような中間サイズで地上性の動物を単独で狩っている、と考えられてきました。
こうした見解により、同じパン属であるボノボとチンパンジーとの分岐した進化が説明されてきましたが、この研究によると、野生のボノボは、昼行性・樹上性で集団生活を営んでいる霊長類を狩ることもある、とのことです。これにより、ボノボとチンパンジーの狩猟対象については、じゅうらい考えられていたよりも共通する側面が多い、と言えそうです。この研究は、初期人類の行動についての参考にもなりそうです。
参考文献:
Surbeck M, and Hohmann G.(2008): Primate hunting by bonobos at LuiKotale, Salonga National Park. Current Biology, 18, 19, 906-907.
http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2008.08.040
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