南米最古の人類の痕跡?

 南米の遺跡の年代を再測定した研究(Steele J and Politis G., 2008)が公表されました。まだ要約も読んでいない状態なのですが、ブログの記事で概要を知ることができました。この研究では、アルゼンチンとチリの遺跡の、炭や動物の遺骸の年代が再測定されました。

 その結果、チリのアロヨ=セコ2遺跡以外の遺跡の年代は、以前のものと一致しました。チリのアロヨ=セコ2遺跡の年代は、以前の推定年代よりさかのぼり、14000年前頃までさかのぼりました。アロヨ=セコ2遺跡は3つの異なる層から形成され、その推定年代は、14170~13840年前、13710~13350年前、13210~12950年前となります。

 この年代値が較正後のものなのか、ブログの記事ではよく分かりませんでしたが、この年代は、南米最古の人類の痕跡とされるモンテ=ヴェルデ遺跡のそれに近いもののようです。なお、アロヨ=セコ2遺跡出土の動物の骨には明らかに人間の手が加えられており、石器も共伴していますので、人類の痕跡であることは間違いなさそうです。モンテ=ヴェルデ遺跡以外にも、南米でクローヴィス最古説を否定する遺跡が確認されそうだという意味で、貴重な研究成果だと言えそうです。


参考文献:
Steele J and Politis G.(2008): AMS 14C dating of early human occupation of southern South America. Journal of Archaeological Science, 36, 2, 419-429.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jas.2008.09.024

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック