山田邦明『日本の歴史第8巻 戦国の活力』(2008年7月刊行)
小学館『日本の歴史』8冊目の刊行となります。応仁の乱後から大坂の陣までを扱った一般向け概説書としては、なかなか無難な出来になっていると思います。しかし、他の一般向け通史では2巻分割り当てられることが多い年代であり、戦国時代はとくに人気が高いだけに、物足りなさを感じる人も少なくないだろうと思います。私がやや不満に思ったのは、流通に関する記述が手薄なことです。
本書の特徴は、「はじめに」で述べられているように、畿内の政治情勢が基本軸にすえられていることです。応仁の乱後から織田信長の上洛までの京都を中心とした畿内の情勢は、あまり一般的な人気がないように思うのですが、分裂の時代とされる戦国時代でも、京都を中心とした畿内とそれ以外の各地とは、経済・文化面の結びつきは強く、政治的な関係も浅いわけではありません。そのためもあってか、戦国時代を扱った最近の一般向け概説書では、戦国時代前半の畿内情勢をわりと詳しく扱う傾向があるように思われます。本書も、そうした傾向に沿ったものと言えるでしょう。
本書の特徴は、「はじめに」で述べられているように、畿内の政治情勢が基本軸にすえられていることです。応仁の乱後から織田信長の上洛までの京都を中心とした畿内の情勢は、あまり一般的な人気がないように思うのですが、分裂の時代とされる戦国時代でも、京都を中心とした畿内とそれ以外の各地とは、経済・文化面の結びつきは強く、政治的な関係も浅いわけではありません。そのためもあってか、戦国時代を扱った最近の一般向け概説書では、戦国時代前半の畿内情勢をわりと詳しく扱う傾向があるように思われます。本書も、そうした傾向に沿ったものと言えるでしょう。
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