更新世末期の急激な気候変動
更新世末期の急激な気候変動についての研究(Steffensen et al.,2008)が報道されました。グリーンランドから採取した氷床コアの高解像度画像から、15000年前頃と11000年前頃の2回の温暖期に、グリーンランドでは急激な気候変動が起きていたことが判明しました。14700年前頃には3年間で約10度、約11700年前頃にはおよそ50年間のうちに約10度という温度の上昇が確認された、とのことです。両温暖期ともに、気温が急激に変動し、大気循環も年ごとに一変していました。また、温暖期のグリーンランドの気候変動は大気循環の変化に起因し、低緯度のアジアの砂漠地帯に影響を及ぼした可能性がある、とのことです。
この両温暖期の間には、ヤンガードリアスと呼ばれる亜間氷期が存在しました。更新世末期は、かなり気候変動の激しい時代だったようで、当然のことながら、人類の活動にも大きな影響を与えたでしょう。こうした不安定な気候状況のなかで、人類は多様な生存戦略に乗り出し、そうしたなかに原始的な栽培もあったのかもしれません。気候の安定した完新世になって、そうした試みが本格的な農耕の開始につながった、と想定することも可能でしょう。
参考文献:
Steffensen JP. et al.(2008): High-Resolution Greenland Ice Core Data Show Abrupt Climate Change Happens in Few Years. Science, 321, 5889, 680-684.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1157707
この両温暖期の間には、ヤンガードリアスと呼ばれる亜間氷期が存在しました。更新世末期は、かなり気候変動の激しい時代だったようで、当然のことながら、人類の活動にも大きな影響を与えたでしょう。こうした不安定な気候状況のなかで、人類は多様な生存戦略に乗り出し、そうしたなかに原始的な栽培もあったのかもしれません。気候の安定した完新世になって、そうした試みが本格的な農耕の開始につながった、と想定することも可能でしょう。
参考文献:
Steffensen JP. et al.(2008): High-Resolution Greenland Ice Core Data Show Abrupt Climate Change Happens in Few Years. Science, 321, 5889, 680-684.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1157707
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