アステカ族の算術

 アステカ族は独自の算術を行なっていたことが判明した、との研究(Williams et al.,2008)が公表されました。1540~1544年頃のアステカの都市テペトラオズトクで、各世帯が所有していた農地について記録された二つの手書き文書の分析によると、アステカ族は分数の代わりに心臓・手・矢といった絵文字を用いて、土地区画の測量や記録を行なうという独自の算術を使用していたそうです。

 アステカなどのアメリカ大陸先住民の文化は、ヨーロッパ人の侵略によりその多くが失われることになりましたが、このように復元することが可能なものもあるのは、人類にとって幸いなことだと思います。そうして復元された文化のなかには、あるいは現代の人類が抱える問題を解決するにあたって有力な示唆を与えるものもあるかもしれず、その意味でもアメリカ大陸先住民の文化の研究の進展が期待されます。


参考文献:
Williams BJ. et al.(2008): Aztec Arithmetic Revisited: Land-Area Algorithms and Acolhua Congruence Arithmetic. Science, 320, 5872, 72-77.
http://dx.doi.org/10.1126/science.1153976

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