イラン・イラク戦争から湾岸戦争、さらにはイラク戦争とその後のイラクの混乱状態により、イラクはたいへんな被害を受けました。人命・経済についてはもちろんのことですが、文化遺産にもたいへんな被害があったように思われます。
イラク戦争後の博物館の遺物の略奪は日本でも大々的に報道されましたが、イラクにあるメソポタミア文明などの諸遺跡にも、かなりの被害が出たはずです。イラク戦争より12年前の湾岸戦争の前に、世界の考古学者たちが、遺跡が多く残っている世界最古の文明の地を戦場とすることに反対する、との声明を出しましたが、どれだけの効果があったかとなると、はなはだ疑問です。
この記事へのコメント
結局、アメリカが開戦の原因としたイラクの大量破壊兵器も見つからなかったし、文化遺産の破壊という点でも、アメリカがイラク戦争を引き起こした責任は重大だと言えます。
そんな小生が
http://orientlib.exblog.jp/2843001/
などを見ますと、マルウィーヤ(螺旋)のミナレットという、まるでバベルの塔のような建造物があったり、壁面の細かな装飾があったりして、不思議な気持ちになります。パターンが反復する様式には曼荼羅や江戸小紋にも通じる気がして、なんとなく親近感を覚えるのです。
自爆テロを平然と行えるイスラムの人々は理解できないのですが、彼らにしてみれば、ひょっとすると全く破れかぶれのカミカゼに相違ないのかもしれず、実は日本人のメンタリティーにはとても近い、遠い親戚と言っていいのかもしれません。
そこに住む人々にとって大切であったろう遺跡などが無造作に破壊されるのは、心が痛みます。後世にきっと悔いを残すでしょう。
ですから、遠い親戚がバカな振る舞いをしているときには、それとなく諫めることはできないものかと思ってしまいます。
遠い親戚がバカな振る舞い、というのは、彼らがタリバンのように遺跡を破壊して回っているという意味ではありません。攻撃されているのがイラクだというぐらいは、分かっております。
なんだか言葉が足りないのですが、整理できていません。もっと成熟した社会になってほしいという気持ちなのですが・・・
失礼しました。
大量破壊兵器の件については、政府・軍・情報機関における、意思疎通と情報共有の問題なのかもしれません。
自爆テロと神風特攻の比較については、イスラーム社会と日本社会およびその歴史に精通した人でないと、的確な理解は難しそうですね。もちろん、私にもよく分かりません。
遺産のみならず、図書館や博物館などに収集されてる貴重な物品が永遠に失われてしまうと言うのは許せません。
ただ大量破壊兵器については「見つからなかったこと」が問題だったのではなくて、イラクが「情報を適切に公開しなかった」ことが問題だったのではないかと。
そういう意味でイラク(と言うよりサダム)の責任は否定出来ませんが、しかしそれでも最終的に引き金を引いてしまった米国の責任は重大ですね。
ちなみに、神風特攻と自爆テロは、一般人を対象とするかしないか、と言う点でまったく別物ではありませんか。
神風特攻と自爆テロはもちろん異なる事象なのですが、その心性になにか共通するところがあるのではないか、との発想自体は的外れではないと思います。
ただ、その発想が妥当かどうかという判断は、イスラーム社会と日本社会およびその歴史に精通した人でないと難しいでしょう。