古人類学への関心

 私は20代半ばまで、古代文明には強い関心をもっていましたが、それよりも古い時代にはほとんど関心がなく、東北旧石器文化研究所が「華々しい成果」をあげて注目されていたことすら、ほとんど知りませんでした。人類進化史についても、人類は猿人→原人→旧人→新人と進化し、いわゆる北京原人が日本人も含む現代の東アジア人の祖先になったのだろう、と漠然と考えていたものです。

 10代の頃より遺伝の仕組みに関心のあった私は、色々と遺伝にかんする一般向けの本を読んでいました。そうしたなか、20代半ばの1997年頃だったと記憶していますが、ある本か雑誌で、遺伝学による人類進化史の研究と、現生人類のアフリカ単一起源説を知りました。

 北京原人やネアンデルタール人が子孫を残さずに絶滅し、現代人の祖先は10万年以上前にアフリカにいた集団のみであるとする説は、当時の私にはとても信じられないものでしたので、少しずつ人類進化史について調べ始めたら、すっかりはまってしまいました。

 それでも2003年頃までは、日本史、とくに中世史への関心のほうが明らかに強かったのですが、未知の要素の多い古人類学では毎年のように興味深い研究が発表されるということもあり、今では私的な時間のかなりを古人類学に割くようになったため、日本中世史に割く時間は以前と比較して激減しました。

 今になってみると、2004年のフロレシエンシスの発表が転機になっていたようで、これ以降、古人類学に割く時間が激増したように思います。古人類学への高い関心は、おそらく死ぬまで(あるいは、現在の水準の知的活動を維持できるかぎり)変わらないと思います。

この記事へのコメント

2008年03月11日 22:20
私は、この方面についてはほとんど勉強していないのですが、劉公嗣さんが前に紹介されたフロレシエンスはクレチン病患者ではないかという見解が、案外、妥当なのではないかと思います。
2008年03月11日 23:52
クレチン病説の論文を取り上げた翌日(3月9日)の記事で述べたのですが、クレチン病説は間違っていると考えるのが妥当なようです。

ただ、この論文では他の病変現生人類説も否定されていて、その点はかなり高く評価されています。

クレチン病説も他の病変説も否定されるとなると、やはりフロレシエンシスは現生人類ではない可能性が高いと思います。

この記事へのトラックバック