内田亮子『人類はどのように進化したか』
シリーズ認知と文化の一冊として、勁草書房より2007年1月に刊行されました。進化の仕組みから、性差・人類の進化・進化と文化の問題まで、最新の研究成果を紹介しつつ説明した、生物人類学の入門書となっています。氏か育ちか、などといった二者択一的な発想を捨てることが随所で強調されていて、この点も生物人類学の入門書としては相応しいと思います。一般向けの書籍ではありますが、参考文献もかなりの数が挙げられていて、本書で興味をもった問題については、さらに深く追求する手がかりも提示されています。分量もさほどではありませんし、2800円と価格がやや高めなのを除けば、生物人類学の入門書としてはかなりよい出来になっていると思います。
この記事へのコメント