2007年度ワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング

 北半球所属馬および北半球の競走に出走した南半球所属馬を対象とした、ワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング(WTRR)が発表されました。なお、以下の馬齢はすべて2007年度のものです。
http://www.jra.go.jp/news/200801/011602.html
http://www.jra.go.jp/datafile/ranking/wrank/pdf/07ranking.pdf

 各部門の首位は以下の表で確認できます。
http://www.jra.go.jp/datafile/ranking/wrank/pdf/07top.pdf

 2007年度の首位は5歳馬のマンデュロで、古馬の芝中距離部門で131ポンドの評価となりました。マンデュロは古馬の芝マイル部門でも首位となっています(126ポンド)。日本のアドマイヤムーンはドバイデューティーフリー勝ちにより125ポンドの評価となりましたから、ドバイデューティーフリーで抜け出した後に、気を抜かずに後続に1馬身半ていどの差をつけていたら、この部門で首位になれていたのかと思うと、やや残念ではあります。まあ、気を抜いたというのは私の誤認で、全力を発揮していたのに差を詰められただけかもしれませんが。


 JPNサラブレッドランキングも発表されています。
http://www.jra.go.jp/datafile/ranking/jpn/2007.html

 2歳馬の首位はゴスホークケン(112ポンド)で、牡馬の2位は107ポンドですから(キャプテントゥーレ・フサイチアソート・レッツゴーキリシマ)、牡馬では抜けた評価ということになります。馬インフルエンザ騒動があり仕上げに影響が出たためか、2歳牡馬戦線は全般的に低調だという印象を受けましたが、それがJPNサラブレッドランキングの数字にも反映されているということでしょうか。

 3歳馬の首位は牝馬のウオッカで(117ポンド)、2位には115ポンドで同じく牝馬のダイワスカーレットと牡馬のアサクサキングス・ロックドゥカンブが並びました。セックスアローワンスを考慮すると、牝馬のウオッカ・ダイワスカーレットに牡馬勢は決定的な差をつけられた、と言うべきでしょう。3歳牡馬勢の弱さは、多くの競馬ファンが実感していることでしょうが、それがはっきりと数字に表れたといった感じです。

 ウオッカとダイワスカーレットは4回対戦し、ウオッカが先着したのは桜花賞の前哨戦のチューリップ賞だけなのですが、それでもウオッカが2ポンド上になるのは、現在のレーティングの仕組みでは仕方のないことと言えるでしょう。ただ、日本ダービー勝ちによるウオッカの117ポンドという数値は、今にして思うと過大評価だったような気がします。3歳ダート部門の首位はフリオーソでしたが(111ポンド)、負けたとはいえ東京大賞典2着の内容からは、もう少し評価が高くてもよかったように思います。

 古馬芝部門の首位はアドマイヤムーンで、マイル部門(125ポンド)と選手権距離部門(123ポンド)の2部門で首位となりました。まあ順当な結果と言えるでしょう。芝の短距離部門の首位はスズカフェニックスですが(116ポンド)、セックスアローワンスを考慮に入れると、112ポンドの3歳牝馬アストンマーチャンと同等の評価ということになります。芝の中距離部門と長距離部門は、天皇賞春秋制覇のメイショウサムソンが首位となりました(中距離は122ポンド、長距離は116ポンド)。中距離での122ポンドはかなりの高評価で、近年では2003年のシンボリクリスエスと同等ということになります(セックスアローワンスを考慮すると、アメリカンオークス勝ちのシーザリオが両馬以上の評価となりますが)。昨年の天皇賞(秋)では実力を発揮できなかった馬も少なくなかったのですが、それでもメイショウサムソンはなかなか強い勝ち方をしており、あるいは2000mくらいが最適の距離なのかもしれません。

 古馬ダート部門は、ヴァーミリアンが118ポンドで首位でしたが(中距離部門)、昨年の国内でのパフォーマンスは素晴らしく、もう少し評価が高くてもよかったように思います。ヴァーミリアンは川崎記念からドバイワールドカップを目指すようで、さすがに勝つのは難しいでしょうが、昨年春よりも強くなっているように思いますから、昨年以上の成績を期待しています。

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