人類の進化は加速している
一塩基多型に注目した遺伝子研究の結果、人類の進化はこの5000年間に過去のどの期間よりも速くなっていたことが判明した、との研究が報道されました。BBCなどでも報道されています。その要因として、人口の増加と食環境の変化が指摘されています。確かに、人口が増加すればそれだけ変異の機会が増えることになるでしょう。ただ、現生人類がアフリカを出て世界各地に進出して以降、あまり移住がなかったとして、移住の役割を軽視するこの研究の見解にたいしては、異論も提示されています。新たな環境への進出も、適応的進化を速めたのではないか、というわけです。
過去と比較して速度がどうかはともかくとして、人類の進化が現在進行中なのは当然のことです。それが見えにくいのは、断続平衡説を認めるにしても、進化は人間の一生と比較するとたいへん長い時間の現象だからでしょう。これだけ世界各地に拡散した人類が、チンパンジーと比較して遺伝的多様性が乏しいのは、現生人類の起源が人類史においてかなり新しいからなのでしょう。
参考文献:
John Hawks, Eric T. Wang, Gregory M. Cochran, Henry C. Harpending, and Robert K. Moyzis.(2007): Recent acceleration of human adaptive evolution. PNAS, 104, 52, 20753–20758.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0707650104
過去と比較して速度がどうかはともかくとして、人類の進化が現在進行中なのは当然のことです。それが見えにくいのは、断続平衡説を認めるにしても、進化は人間の一生と比較するとたいへん長い時間の現象だからでしょう。これだけ世界各地に拡散した人類が、チンパンジーと比較して遺伝的多様性が乏しいのは、現生人類の起源が人類史においてかなり新しいからなのでしょう。
参考文献:
John Hawks, Eric T. Wang, Gregory M. Cochran, Henry C. Harpending, and Robert K. Moyzis.(2007): Recent acceleration of human adaptive evolution. PNAS, 104, 52, 20753–20758.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0707650104
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