アフリカの旱魃と現生人類の動向
後期更新世早期のアフリカにおける大旱魃と、現生人類の動向との関係についての研究が報道されました。『サイエンス』でも取り上げられています。この研究は、一ヶ月前に公表された研究とも関連しています。
湖のコアと盆地からの地震の記録とが示しているのは、135000~90000年前のアフリカ熱帯地域は、最終氷期極大期(35000~15000年前)以上の旱魃に見舞われていたということです。これは、自然環境と生態系に重大な影響を及ぼしました。たとえば、現在マラウイ湖の水深は706mですが、当時は125mにまで低下し、塩分・アルカリの濃度が上昇しました。
こうした乾燥状態は95000年前頃より緩和し始め、マラウイ湖の水深は、60000年前頃には現在の水準近くにまで回復しました。こうした気候変動は、初期現生人類の人口減少とその後の急速な人口回復(ビン首効果)、さらには出アフリカにも関わりがあると思われます。
以上、この研究について簡単に紹介述べましたが、現生人類の遺伝的多様性の乏しさ、および現生人類の出アフリカと気候変動との関係について、ひじょうに具体的なデータを用いて説明したという点で、興味深い研究です。初期現生人類がビン首効果を受けたか否かについては、結論が出ていませんが、その可能性は高いだろうと思います。
初期現生人類の人口減少の要因として、気候変動を想定するのは自然なことでしょうし、現生人類の誕生地であるアフリカで人口減少が起きたとすれば、よく人口減少の要因として挙げられる74000年前頃のトバ大噴火(スマトラ島)よりは、135000~90000年前頃のアフリカの旱魃のほうが、可能性が高いように思われます。
湖のコアと盆地からの地震の記録とが示しているのは、135000~90000年前のアフリカ熱帯地域は、最終氷期極大期(35000~15000年前)以上の旱魃に見舞われていたということです。これは、自然環境と生態系に重大な影響を及ぼしました。たとえば、現在マラウイ湖の水深は706mですが、当時は125mにまで低下し、塩分・アルカリの濃度が上昇しました。
こうした乾燥状態は95000年前頃より緩和し始め、マラウイ湖の水深は、60000年前頃には現在の水準近くにまで回復しました。こうした気候変動は、初期現生人類の人口減少とその後の急速な人口回復(ビン首効果)、さらには出アフリカにも関わりがあると思われます。
以上、この研究について簡単に紹介述べましたが、現生人類の遺伝的多様性の乏しさ、および現生人類の出アフリカと気候変動との関係について、ひじょうに具体的なデータを用いて説明したという点で、興味深い研究です。初期現生人類がビン首効果を受けたか否かについては、結論が出ていませんが、その可能性は高いだろうと思います。
初期現生人類の人口減少の要因として、気候変動を想定するのは自然なことでしょうし、現生人類の誕生地であるアフリカで人口減少が起きたとすれば、よく人口減少の要因として挙げられる74000年前頃のトバ大噴火(スマトラ島)よりは、135000~90000年前頃のアフリカの旱魃のほうが、可能性が高いように思われます。
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