アン=ギボンズ著・河合信和訳『最初のヒト』

 新書館より2007年8月に刊行されました。この十数年間、最初の人類候補の化石が相次いで発見された感がありますが、著者は、発見をめぐる競争の激化や確執など、あまり表に出てこない内幕や研究者の人物像にも触れつつ、100年以上に及ぶ最古の人類をめぐる論争を的確にまとめており、かなりの好著だと思います。分かりやすい図表が掲載されているのもさることながら、河合氏の翻訳だけあって、他の古人類学関係の翻訳本にしばしば見られる、専門用語を翻訳するさいの不統一がないのもよいと思います。

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