大河ドラマ『風林火山』第３６回「宿命の女」

　昨日放送分の感想です。勘助は晴信に、武田と今川の新たな絆として、今川の姫を武田家の嫡男の義信にもらうことを提案します。晴信は、将来今川を攻めることになったとき、義信は自分を恨むのではないか？と懸念しますが、勘助の進言にしたがい、今川に縁組を提案します。この提案を受けた今川家では、当初は義元が反対していましたが、雪斎は武田の提案を承諾するよう義元に進言します。

　この勘助の提案は、勝頼を義信に替えて武田家の跡継ぎにしようとする工作なのかな、と思ったのですが、どうなのでしょうか。雪斎も小山田も、勘助の意図に疑念を抱いているようですが。義元・寿桂尼・雪斎という今川の主要人物三人が登場する場面は、あいかわらず緊張感があって面白く、今後も三国同盟の回などで登場するでしょうから、楽しみです。

　今川と武田の婚姻をめぐる話とともに、今回の軸となったのは、小山田と美瑠姫との悲劇的な最期でした。武田と今川との縁組にさいして、北条への根回しを頼むために勘助が小山田を訪ねると、小山田は勘助に美瑠姫への心情を吐露します。美瑠姫の生んだ子供（藤王丸）の父が、自分ではなくて美瑠姫の前夫の笠原清繁ではないか、と疑っている小山田ですが、それでも美瑠姫を愛し、藤王丸を自分の子供として育てようとします。しかし、藤王丸は病死してしまい、絶望した美瑠姫は、小山田の寝首をかくことで武田への恨みを果たし、自害してしまいます。

　小山田と美瑠姫の最期がこのような形になるとは、納得のいかないところもありますが、小山田と美瑠姫との関係は、晴信と由布姫との関係と表裏一体であるという設定なのでしょう。美瑠姫を引き取ったときの、勘助にたいする「このわしは寝首をかかれるとでも申すか？」との小山田の発言は伏線だったのですねぇ。不満はありますが、小山田と美瑠姫の話もなかなか面白いものでした。ただ、美瑠姫と縁のあった勘助がもう一度美瑠姫と会う場面があってもよかったかな、とも思います。