ネアンデルタール人のゲノム解読と試料汚染の問題
古生物のDNAを解析するうえで問題となるのは、その生物の死後に微生物によってDNAが汚染されることと、分析する研究者のDNAが混入することですが、その問題の解決のための技術的方法の確立は可能であるとする研究が、ドイツのライプツィヒにあるマックス=プランク進化人類学研究所のスヴァンテ=ペーボ教授(ネアンデルタール人のDNA解析の第一人者)率いる研究チームによって発表され、報道されました。ネアンデルタール人研究の第一人者であるエリック=トリンカウス教授は、問題が完全に解決されたわけではないが、重要な一歩だと評価しています。
北朝鮮による拉致被害者の鑑定をめぐる騒動からも分かるように、DNA解析にはまだ技術的な問題があり、解析対象者が、死後に埋葬されるなどしてかなりの期間地中に存在していたような場合は、さらに困難な問題が生じます。そうした問題を解決するという意味でも興味深い研究で、ネアンデルタール人のゲノム解読がさらに進むことを期待しています。
参考文献:
Briggs AW. et al.(2007): Patterns of damage in genomic DNA sequences from a Neandertal. PNAS, 104, 37, 14616-14621.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0704665104
北朝鮮による拉致被害者の鑑定をめぐる騒動からも分かるように、DNA解析にはまだ技術的な問題があり、解析対象者が、死後に埋葬されるなどしてかなりの期間地中に存在していたような場合は、さらに困難な問題が生じます。そうした問題を解決するという意味でも興味深い研究で、ネアンデルタール人のゲノム解読がさらに進むことを期待しています。
参考文献:
Briggs AW. et al.(2007): Patterns of damage in genomic DNA sequences from a Neandertal. PNAS, 104, 37, 14616-14621.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0704665104
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