二足歩行の効率性
踏み車を二足と四足のどちらでも回せるように訓練された、大人のチンパンジー5匹と、4人の人間との歩行(踏み車を回すという実験)のさいのエネルギー利用効率を比較したところ、後者が前者よりも約4倍効率的だということが判明した、とする研究が発表され、報道されました。
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0703267104v1
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6902379.stm
人類とは、移動するさいに通常は直立二足歩行をする霊長目の生物である、と定義されることもありますし、直立二足歩行が生物界で特異な行動形態だということもあり(恒常的な行動ではないにせよ、この研究で比較対象となったチンパンジーのように、人類以外にも二足歩行をする生物はいますが)、直立二足歩行の起源と二足歩行への移行理由については、たいへん大きな関心が払われてきました。今年も、すでに二足歩行の起源について有力な仮説が提示されています。
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_2.html
この研究では、チンパンジー5匹のうち3匹で、二足歩行のさいに四足歩行よりも多くのエネルギーが使用されました。のこる2匹のうちの1匹は、逆に四足歩行のさいに二足歩行よりも多くのエネルギーが用いられ、この1匹だけが速度を上げることができました。この1匹はより二足歩行に適した身体的特徴なので、二足歩行のほうがエネルギー効率がよかったのだ、と研究者は述べています。
足歩行のほうがエネルギー効率がよいという指摘は、ずいぶんと前からなされていましたが、観察対象が不充分だったということもあり、議論の余地が残されていました。この研究は、じゅうらいよりもずっとはっきりと直立二足歩行の効率性を証明し、人類進化において二足歩行が選択された理由(そのすべてではないにせよ、重要と言えるでしょう)を提示したという意味で、たいへん意義深いと言えるでしょう。
参考文献:
Sockol MD. et al.(2007): Chimpanzee locomotor energetics and the origin of human bipedalism. PNAS, 104, 30, 12265-12269.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0703267104
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0703267104v1
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6902379.stm
人類とは、移動するさいに通常は直立二足歩行をする霊長目の生物である、と定義されることもありますし、直立二足歩行が生物界で特異な行動形態だということもあり(恒常的な行動ではないにせよ、この研究で比較対象となったチンパンジーのように、人類以外にも二足歩行をする生物はいますが)、直立二足歩行の起源と二足歩行への移行理由については、たいへん大きな関心が払われてきました。今年も、すでに二足歩行の起源について有力な仮説が提示されています。
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_2.html
この研究では、チンパンジー5匹のうち3匹で、二足歩行のさいに四足歩行よりも多くのエネルギーが使用されました。のこる2匹のうちの1匹は、逆に四足歩行のさいに二足歩行よりも多くのエネルギーが用いられ、この1匹だけが速度を上げることができました。この1匹はより二足歩行に適した身体的特徴なので、二足歩行のほうがエネルギー効率がよかったのだ、と研究者は述べています。
足歩行のほうがエネルギー効率がよいという指摘は、ずいぶんと前からなされていましたが、観察対象が不充分だったということもあり、議論の余地が残されていました。この研究は、じゅうらいよりもずっとはっきりと直立二足歩行の効率性を証明し、人類進化において二足歩行が選択された理由(そのすべてではないにせよ、重要と言えるでしょう)を提示したという意味で、たいへん意義深いと言えるでしょう。
参考文献:
Sockol MD. et al.(2007): Chimpanzee locomotor energetics and the origin of human bipedalism. PNAS, 104, 30, 12265-12269.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0703267104
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