西欧最古の人類

 スペイン北部のアタプエルカ遺跡で先月27日に発見された小臼歯は、120~100万年前頃という西欧最古の人類のものだと判明した(推定年代の根拠は出土した地層)、との報道がありました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6256356.stm

 この個体の年齢は20~25歳くらいではないか、と推測されています。アタプエルカ遺跡では、すでに80万年前頃の人骨も発見されていて、発見者たちはホモ=アンテセソールという種に区分しています。今回新たに発見された古人類は、種区分についてはまだ断言できないが、アンテセソールの祖先ではないか、と発見者たちは推測しています。

 先月27日に発見されて、すぐに推定年代とあわせて発表するのはおかしいのではないか?と疑問を抱いたのですが、検索して他のニュースサイトを見ても、やはり水曜日に発見されたとなっていますので、どうやら先月27日に発見されたのは間違いないようです。

 種区分と人類進化の系統樹の問題は難しいので、今回発見された古人類の人類進化における位置づけは、すぐには定まらないでしょうが、現時点であえて個人的な推測を述べると、一部でアンテセソールと分類されている人類集団や、今回発見された古人類が属す人類集団は、早期に西欧に進出したものの絶滅してしまい、もっと後になって欧州に進出した人類(50万年前頃)が、ネアンデルタール人の祖先になったように思われます。

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  • 西欧最古の人類についての研究

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