注目される海面下

 現生人類が世界各地に拡散した経路として、内陸部だけではなく海岸沿いも注目されるようになりましたが、現生人類が世界の主要な地域に拡散した更新世後期は、現在よりも寒冷な時期が珍しくなく、寒冷期には現在よりも海面が低いため、広大な陸地が広がっていました。

 また、現生人類は海産物を食資源とするようになりましたので、更新世後期には海岸線近くに居住していた場合も少なからずあっただろうと思われます。しかし、寒冷期の海岸沿いは現在では海面下にあるので、寒冷期の人類の痕跡を復元するのにあたっては、かなりの限界があります。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック