人類とチンパンジーとの分岐年代
人類と、現存生物でもっとも人類に近いチンパンジーとの分岐年代については、ながらく500万年前頃というのが通説となっていたのですが、21世紀になって、700~600万年前頃にさかのぼるかもしれない人骨の発見が発表され、人類の起源を探るうえでこの年代差が問題となっていました。
ところが、不確定な時系列のデータをモデル化するために有効とされる、「隠れマルコフモデル」と呼ばれる統計的手法(元来は音声認識のために開発されたそうです)を発展させ、これを人類・チンパンジー・ゴリラ・オランウータンの、合計190万塩基対になる常染色体の分析に適用したところ、人類とチンパンジーの分岐年代は450~370万年前頃で、おおよそ410万年前頃になるのではないか、との研究が発表され、報道されました。また、人類とチンパンジーとの共通祖先の数は95000~35000程度、人類・チンパンジー・ゴリラの共通祖先の数は55000~35000程度と推測されています。
410万年前頃には、ほぼ確実に直立二足歩行をし、現代人の祖先である可能性が高いとされるアウストラロピテクス=アナメンシスが存在していたとされていて、その祖先である可能性の高いアルディピテクス=ラミダスは440万年前頃に存在していたとされますから、この年代は論文の著者にとっても衝撃的だったようです。また、分岐年代の下限の370万年前頃となると、アナメンシスから派生したとされる、アウストラロピテクス=アファレンシスがすでに存在していた可能性が高くなります。
この論文の推定年代が間違っているのか、それとも上記の諸化石の年代または解釈が間違っているのか、現時点では断言の難しいところです。あるいは、人類とチンパンジーの分岐は一応600万年前頃になるが、その後もしばらく人類とチンパンジーのそれぞれの祖先集団の間には混血があった、とする昨年発表された研究が真相に近いのかもしれません。たいへん衝撃的な内容でしたが、ともかく今後の研究の進展に期待しています。
ところが、不確定な時系列のデータをモデル化するために有効とされる、「隠れマルコフモデル」と呼ばれる統計的手法(元来は音声認識のために開発されたそうです)を発展させ、これを人類・チンパンジー・ゴリラ・オランウータンの、合計190万塩基対になる常染色体の分析に適用したところ、人類とチンパンジーの分岐年代は450~370万年前頃で、おおよそ410万年前頃になるのではないか、との研究が発表され、報道されました。また、人類とチンパンジーとの共通祖先の数は95000~35000程度、人類・チンパンジー・ゴリラの共通祖先の数は55000~35000程度と推測されています。
410万年前頃には、ほぼ確実に直立二足歩行をし、現代人の祖先である可能性が高いとされるアウストラロピテクス=アナメンシスが存在していたとされていて、その祖先である可能性の高いアルディピテクス=ラミダスは440万年前頃に存在していたとされますから、この年代は論文の著者にとっても衝撃的だったようです。また、分岐年代の下限の370万年前頃となると、アナメンシスから派生したとされる、アウストラロピテクス=アファレンシスがすでに存在していた可能性が高くなります。
この論文の推定年代が間違っているのか、それとも上記の諸化石の年代または解釈が間違っているのか、現時点では断言の難しいところです。あるいは、人類とチンパンジーの分岐は一応600万年前頃になるが、その後もしばらく人類とチンパンジーのそれぞれの祖先集団の間には混血があった、とする昨年発表された研究が真相に近いのかもしれません。たいへん衝撃的な内容でしたが、ともかく今後の研究の進展に期待しています。
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