スプリングステークスと阪神大賞典結果

 中山では皐月賞の前哨戦となるスプリングステークスが行なわれました。皐月賞まで中2週という間隔が嫌われたため、一時期弥生賞はもとより、オープン特別の若葉ステークスよりも出走馬の質が下がったのですが(それでも、ミホシンザン・ミホノブルボン・ナリタブライアンが勝っていますが・・・)、皐月賞まで中3週となってからは出走馬の水準も向上し、弥生賞と比較してもあまり差がなくなったように思われます。ただ今年は、弥生賞と比較すると出走馬の質がかなり劣るように思われました。
 レースは、最後方に控えたフライングアップルが内をついて差しきりました。ここまで重賞で善戦しながらなかなか勝ちきれなかったのですが、重賞初勝利となりました。ただ、相手に恵まれて無駄のない競馬をしての勝利で、皐月賞で勝ち負けになるのは難しいだろうな、と思いました。とはいっても、昨年は軽視していたスプリングステークス組が皐月賞で1・2着だったわけで、馬が短期間に成長するこの時期の力関係の把握は難しいところではありますが。

 阪神では天皇賞(春)の前哨戦となる阪神大賞典が行なわれました。21世紀になってからというもの、日本でも長距離戦の水準が低下しているように思われますが、それでも世界的に見れば、日本の中央競馬会の長距離戦はかなりの高水準であるように思われます。
 今年は、ハーツクライとディープインパクトが引退した後だけに、古馬中長距離の芝路線は今のところ混戦で、どの馬が抜け出すのかという視点からも、このレースの意義は大きいと思い、注目していたのですが、今年の主役になってほしいと期待しているドリームパスポートに、長距離で強いデルタブルース・アイポッパー・トウカイトリックが出走してきて、天皇賞(春)の前哨戦に相応しい出走馬構成になったと思います。
 レースは、先に抜け出したドリームパスポートをアイポッパーが競り落とし、ステイヤーズステークスに続いて重賞連勝となりました。3着のトウカイトリック・4着のデルタブルースまで差はなく、有力馬が順当に上位を占めました。ドリームパスポートは遅い流れで行きたがるところを見せ、本番の天皇賞(春)では不安がありますが、今年の中距離~選手権距離の古馬芝路線では中心の一頭になりそうです。
 21世紀になってからは、1990年代ほどには阪神大賞典と天皇賞(春)の関連が強くなくなったような感がありますが、今年は直結しそうで、阪神大賞典の上位4頭が天皇賞(春)でも上位を占めそうです。ただ、ドリームパスポートは折り合いに不安があり、トウカイトリックにはGIを勝ちきれるだけの力はなさそうなので、アイポッパーとデルタブルースがやや有利かな、という気がします。

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