ネアンデルタール人の食人習慣?
マドリードにある国立自然科学博物館のアントニオ=ローザス博士率いる研究チームが、43000年前頃のスペイン北部のアストゥリアスのエルシドラン地下洞窟で出土した歯と骨を分析したところ、ネアンデルタール人にとって飢餓と食人習慣は日常的なことだった、との研究が発表され報道されました。
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0609662104
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6209554.stm
http://dsc.discovery.com/news/2006/12/04/neanderthal_hum.html
http://www.msnbc.msn.com/id/16043669/
歯の分析からは幼年期に飢餓か栄養不良の経験があることが、骨にはカットマークがついていたことが判明した、とのことです。またいくつかの人骨は手足が切断され、骨髄と脳を取り出すために開けられたように思われました。
ネアンデルタール人の食人習慣があったとして、社会的・文化的に食資源の不足に対応できなくなって生存のためにやむをえず行なったのか、それとも象徴的な意味合いがあったのか、また食人習慣がネアンデルタール人集団において一般的だったのか、決定するのは容易ではありません。
また研究チームによると、ネアンデルタール人の顎骨には南北で違いがあり、イベリア・イタリア・バルカン・中東といった南部のネアンデルタール人の顔はより広く平坦とのことです。こうした調査結果は、ネアンデルタール人の生死についての知見を得る手がかりになるのではないか、と期待されます。
ネアンデルタール人の食人習慣については古くから議論されていますが、その頻度はともかくとして、食人習慣があったのは間違いないでしょう。ただ、象徴的意味合いもあったかとなると、微妙なところだと思います。
考えてみると、現生人類も飢餓が原因で食人行為に走ることもあり、飢餓の恐れのない地域・時代というのは、現生人類の歴史のなかでもごく一部のことといえますから(飢餓が必ず食人行為に直結するというわけではありませんが)、ネアンデルタール人に食人行為が認められるからといって、ただちにネアンデルタール人を現生人類とは異質な存在とするのは間違っているわけです。
ただ、ネアンデルタール人が文化的な蓄積で現生人類に劣っていたのは否定できませんし、氷河期の欧州という厳しい環境下で生きていたわけですから、飢餓と食人行為の頻度は現生人類よりずっと高かったものと思われます。
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0609662104
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6209554.stm
http://dsc.discovery.com/news/2006/12/04/neanderthal_hum.html
http://www.msnbc.msn.com/id/16043669/
歯の分析からは幼年期に飢餓か栄養不良の経験があることが、骨にはカットマークがついていたことが判明した、とのことです。またいくつかの人骨は手足が切断され、骨髄と脳を取り出すために開けられたように思われました。
ネアンデルタール人の食人習慣があったとして、社会的・文化的に食資源の不足に対応できなくなって生存のためにやむをえず行なったのか、それとも象徴的な意味合いがあったのか、また食人習慣がネアンデルタール人集団において一般的だったのか、決定するのは容易ではありません。
また研究チームによると、ネアンデルタール人の顎骨には南北で違いがあり、イベリア・イタリア・バルカン・中東といった南部のネアンデルタール人の顔はより広く平坦とのことです。こうした調査結果は、ネアンデルタール人の生死についての知見を得る手がかりになるのではないか、と期待されます。
ネアンデルタール人の食人習慣については古くから議論されていますが、その頻度はともかくとして、食人習慣があったのは間違いないでしょう。ただ、象徴的意味合いもあったかとなると、微妙なところだと思います。
考えてみると、現生人類も飢餓が原因で食人行為に走ることもあり、飢餓の恐れのない地域・時代というのは、現生人類の歴史のなかでもごく一部のことといえますから(飢餓が必ず食人行為に直結するというわけではありませんが)、ネアンデルタール人に食人行為が認められるからといって、ただちにネアンデルタール人を現生人類とは異質な存在とするのは間違っているわけです。
ただ、ネアンデルタール人が文化的な蓄積で現生人類に劣っていたのは否定できませんし、氷河期の欧州という厳しい環境下で生きていたわけですから、飢餓と食人行為の頻度は現生人類よりずっと高かったものと思われます。
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