今年の古人類学界(2)フロレシエンシスをめぐる議論
2004年の発表以降、古人類学界で激しい議論が展開されているフロレシエンシスをめぐる問題については、今年も新種認定派と否定派との間で活発な議論の応酬があり、このブログでも度々取り上げました。
https://sicambre.seesaa.net/article/200608article_22.html
https://sicambre.seesaa.net/article/200609article_7.html
https://sicambre.seesaa.net/article/200610article_11.html
https://sicambre.seesaa.net/article/200610article_32.html
新種認定派からは、フローレス島で88~80万年前頃の新たな石器を発見し、これらの石器とフロレシエンシスと共伴した石器群との間に連続性が認められる、との指摘がありました。
新種否定派からは、フロレシエンシスは人類の新種ではなく、小型の現生人類で、脳容量の小さい固体は小頭症だとの批判論文が、詳細な検証を伴って報告され、今年になってからというもの、新種否定派のほうに勢いがあるように思われます。
新種認定の決定打となっただろうミトコンドリアDNAの分析は、熱帯環境での出土だっただけにどうも無理なようで、そうなると、まだ一体しか発見されていない頭蓋骨のさらなる発見が望まれるところですが、そう都合よくいくものではないでしょうから、当分の間はこの議論に決着がつくことはないのでしょう。
私は現時点では、新種である可能性のほうが高いと考えていますが、そうだとすると、フロレシエンシスが人類史においてあまりにも異端の存在ということになるので、新種説を全面的には受け入れがたい、との気持ちもあります。
一方、小型の現生人類だとしても、人類登場以降、他の島や大陸と陸続きになったことのないフローレス島で発見された、88~80万年前頃の石器をどう解釈するのか、という難問は残るわけですが・・・。
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https://sicambre.seesaa.net/article/200609article_7.html
https://sicambre.seesaa.net/article/200610article_11.html
https://sicambre.seesaa.net/article/200610article_32.html
新種認定派からは、フローレス島で88~80万年前頃の新たな石器を発見し、これらの石器とフロレシエンシスと共伴した石器群との間に連続性が認められる、との指摘がありました。
新種否定派からは、フロレシエンシスは人類の新種ではなく、小型の現生人類で、脳容量の小さい固体は小頭症だとの批判論文が、詳細な検証を伴って報告され、今年になってからというもの、新種否定派のほうに勢いがあるように思われます。
新種認定の決定打となっただろうミトコンドリアDNAの分析は、熱帯環境での出土だっただけにどうも無理なようで、そうなると、まだ一体しか発見されていない頭蓋骨のさらなる発見が望まれるところですが、そう都合よくいくものではないでしょうから、当分の間はこの議論に決着がつくことはないのでしょう。
私は現時点では、新種である可能性のほうが高いと考えていますが、そうだとすると、フロレシエンシスが人類史においてあまりにも異端の存在ということになるので、新種説を全面的には受け入れがたい、との気持ちもあります。
一方、小型の現生人類だとしても、人類登場以降、他の島や大陸と陸続きになったことのないフローレス島で発見された、88~80万年前頃の石器をどう解釈するのか、という難問は残るわけですが・・・。
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