『イリヤッド』12巻(6)
12月12日分の続きです。昨晩のうちにほぼ書き終えて、見直しもできたので、朝のうちに更新します。
https://sicambre.seesaa.net/article/200612article_14.html
一方、裂け目から中へと降りていった入矢・ゼプコ老人・エンリケの三人は、山中の巨大な空洞の中にピラミッドがあり、ピラミッドの頂上の祭壇に「冥界の王」のミイラが安置されているのを見ます。
三人は下へと降り、入矢はピラミッドの周囲の壁を調べます。そこには兎が描かれており、その隣には熊が描かれていました。入矢は、巨大な空洞の東側に、山を登ってくるときに見た石で塞がれた入り口があり、石と石の間から風が漏れているのに気づきます。
入矢とゼプコ老人は、地面の砂が赤かったり青かったりするのに気づき、ゼプコ老人は、カナリア諸島は火山地帯で色とりどりの砂が産出され、砂絵が有名なので、古代からの伝統芸術ではないか、と言いますが、入矢は、もっと重要なものではないか、と考え、証明設備を取りに出直したいと言ったところ、遅れて降りてきたバトラー神父が現れ、「山の老人」の追っ手が来るので時間がありません、と言います。
さきほどから早くピラミッドに登ろうと入矢を急かしていたゼプコ老人は、これを聞いて即座に登りだそうとしますが、石組みが崩れて登れません。これを見てエンリケは、このピラミッドは石が不安定で登れず、自分たちも本物のミイラを見たことがないのだ、と言います。
ところがゼプコ老人は、長年ユカタン半島でピラミッド登りに明け暮れた自分を甘く見るなよ、と言って強引にピラミッドを登ってしまい、ピラミッドの頂上から綱を下ろして、入矢に登ってくるよう促します。
バトラー神父はエンリケに、山の頂上で火を焚いた後、下りて逃げるように、と言います。「山の老人」の暗殺部隊を頂上に引きつけておいて、逃げる時間を稼ごうというわけでしょう。
ピラミッドの頂上に登った入矢とゼプコ老人は、ついに本物の「冥界の王」のミイラと対面します。ミイラの上には、金属製の両刀の斧が置かれています。カナリア諸島の先住民グアンチェスは金属製品を作れませんでしたから、グアンチェスは青銅器時代にどこかから流れ着き、その後文化が退化したのではないか、と入矢は推測します。
「冥界の王」のミイラには、解読不能の文字と、
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という図形が描かれていました。入矢は、これが何を意味しているのか考えますが、分かりません。
しばらく砂絵と扉を眺めて考え込んでいた入矢は、ふと閃き、日の出まで後1時間と知ると、1時間経ったら扉をステッキで壊すように、とバトラー神父に言います。入矢は訝るゼプコ老人に、ピラミッドがアトランティスの中心で、ピラミッドの周囲の砂絵が地図になっているのだ、と説明します。
この暗さでは全体像は把握できないだろう、と言うゼプコ老人にたいして入矢は、東向きの扉を壊して太陽光を入れるが、同時に風も入り込むので、地図を見る機会は一瞬だと言い、博打を提案します。扉を壊せば楽園に帰れないという伝説は、風が入り込んで砂絵の地図が消え去ることを意味していたのです。
日の出の時間になり、バトラー神父は扉を壊して太陽光と風が入り込みます。入矢とゼプコ老人は、必死に砂絵の地図を確認しようとしますが、光が思ったより入ってこず、砂が舞い上がったため、よく見えません。
ちょうどそのとき、「山の老人」の暗殺部隊が壊された扉から侵入してきますが、バトラー神父とゼプコ老人の活躍により、三人は何とか逃げ延びます。このとき入矢は、「冥界の王」のミイラの爪と靴(植物繊維らしきものでできた紐を縫い合わせたもの)の一部を切り取り、斧を持って下山しています。
何とか難を逃れた二人のもとに、ラモンとエンリケが現れます。見捨てて逃げてはガイドとしての職業倫理にもとる、というラモンですが、途中で「山の老人」の暗殺部隊に見つかりそうになり、必死になって逃げて、疲労して寝転がっていたところ、エンリケと会い、戻って入矢たち三人に会おう、と説得されたのでした。そのエンリケにしても、三人が万一生きて戻ってきたら訴えられるのではないか、と心配になって戻ってきたわけですから、どっちもどっちなのですが・・・。
5人が再開してまもなく、ピラミッドのある山のほうから爆破音が聞こえてきます。「山の老人」の暗殺部隊が、アトランティスの手がかりとなる貴重な遺跡を爆破したのです。ゼプコ老人はこの行為にたいして、「愚かな・・・・・・」と言います。
https://sicambre.seesaa.net/article/200612article_14.html
一方、裂け目から中へと降りていった入矢・ゼプコ老人・エンリケの三人は、山中の巨大な空洞の中にピラミッドがあり、ピラミッドの頂上の祭壇に「冥界の王」のミイラが安置されているのを見ます。
三人は下へと降り、入矢はピラミッドの周囲の壁を調べます。そこには兎が描かれており、その隣には熊が描かれていました。入矢は、巨大な空洞の東側に、山を登ってくるときに見た石で塞がれた入り口があり、石と石の間から風が漏れているのに気づきます。
入矢とゼプコ老人は、地面の砂が赤かったり青かったりするのに気づき、ゼプコ老人は、カナリア諸島は火山地帯で色とりどりの砂が産出され、砂絵が有名なので、古代からの伝統芸術ではないか、と言いますが、入矢は、もっと重要なものではないか、と考え、証明設備を取りに出直したいと言ったところ、遅れて降りてきたバトラー神父が現れ、「山の老人」の追っ手が来るので時間がありません、と言います。
さきほどから早くピラミッドに登ろうと入矢を急かしていたゼプコ老人は、これを聞いて即座に登りだそうとしますが、石組みが崩れて登れません。これを見てエンリケは、このピラミッドは石が不安定で登れず、自分たちも本物のミイラを見たことがないのだ、と言います。
ところがゼプコ老人は、長年ユカタン半島でピラミッド登りに明け暮れた自分を甘く見るなよ、と言って強引にピラミッドを登ってしまい、ピラミッドの頂上から綱を下ろして、入矢に登ってくるよう促します。
バトラー神父はエンリケに、山の頂上で火を焚いた後、下りて逃げるように、と言います。「山の老人」の暗殺部隊を頂上に引きつけておいて、逃げる時間を稼ごうというわけでしょう。
ピラミッドの頂上に登った入矢とゼプコ老人は、ついに本物の「冥界の王」のミイラと対面します。ミイラの上には、金属製の両刀の斧が置かれています。カナリア諸島の先住民グアンチェスは金属製品を作れませんでしたから、グアンチェスは青銅器時代にどこかから流れ着き、その後文化が退化したのではないか、と入矢は推測します。
「冥界の王」のミイラには、解読不能の文字と、
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という図形が描かれていました。入矢は、これが何を意味しているのか考えますが、分かりません。
しばらく砂絵と扉を眺めて考え込んでいた入矢は、ふと閃き、日の出まで後1時間と知ると、1時間経ったら扉をステッキで壊すように、とバトラー神父に言います。入矢は訝るゼプコ老人に、ピラミッドがアトランティスの中心で、ピラミッドの周囲の砂絵が地図になっているのだ、と説明します。
この暗さでは全体像は把握できないだろう、と言うゼプコ老人にたいして入矢は、東向きの扉を壊して太陽光を入れるが、同時に風も入り込むので、地図を見る機会は一瞬だと言い、博打を提案します。扉を壊せば楽園に帰れないという伝説は、風が入り込んで砂絵の地図が消え去ることを意味していたのです。
日の出の時間になり、バトラー神父は扉を壊して太陽光と風が入り込みます。入矢とゼプコ老人は、必死に砂絵の地図を確認しようとしますが、光が思ったより入ってこず、砂が舞い上がったため、よく見えません。
ちょうどそのとき、「山の老人」の暗殺部隊が壊された扉から侵入してきますが、バトラー神父とゼプコ老人の活躍により、三人は何とか逃げ延びます。このとき入矢は、「冥界の王」のミイラの爪と靴(植物繊維らしきものでできた紐を縫い合わせたもの)の一部を切り取り、斧を持って下山しています。
何とか難を逃れた二人のもとに、ラモンとエンリケが現れます。見捨てて逃げてはガイドとしての職業倫理にもとる、というラモンですが、途中で「山の老人」の暗殺部隊に見つかりそうになり、必死になって逃げて、疲労して寝転がっていたところ、エンリケと会い、戻って入矢たち三人に会おう、と説得されたのでした。そのエンリケにしても、三人が万一生きて戻ってきたら訴えられるのではないか、と心配になって戻ってきたわけですから、どっちもどっちなのですが・・・。
5人が再開してまもなく、ピラミッドのある山のほうから爆破音が聞こえてきます。「山の老人」の暗殺部隊が、アトランティスの手がかりとなる貴重な遺跡を爆破したのです。ゼプコ老人はこの行為にたいして、「愚かな・・・・・・」と言います。
この記事へのコメント
兎と熊が重要なポイントのようですね。
熊と言えば、やはりアーサー王を思い出します。
兎は初めのころから登場してきたカギですが、
どんな意味なのでしょうね。
海を渡る兎の絵がときどき登場しますね。
以前、2チャンネルのイリヤッドについての書き込みを
読んでいたことがあるのですが、12巻の(6)話について
の話題になっていました。
このミイラに書かれた模様をみんなが解読しようとしていましたw。
オリオン座じゃないかと言っていた人がいましたよ。
2チャンネルは、みんなが話を知っている前提で
やりとりしているので、私にはちんぷんかんぷんでしたが、
今、やっと劉公嗣さんのおかげで話が見えてきましたw。
扉を壊せば楽園に帰れないという伝説の訳がおもしろかった。
ストーリーメーカーって、どうしてこんなアイディアが
尽きることなく溢れてくるんでしょうね。すごいなぁ!
私には、あまり想像力がないですw。
ありがとうございます。
風邪をひかれていたとのことで、
大変でしたねぇ。北半球はこれから
本格的な冬ですから、私も気をつけ
たいものです。
クロジエとレイトン卿が泳がされて
いるのは、アトランティス伝説を
収集するためかな、と思います。
「山の老人」といえども、テネリフェ
島のピラミッドのように知らない
ことも少なからずあるわけでして。
ベルクのように、危険なところまで
知ってしまったら、殺されるので
しょうね。クロジエについては、
処刑予定だと11巻で「山の老人」の
幹部が言ってますね。
レイトン卿は嫌味な人ですが、根は
いい人なのかな、という気もします(笑)。
たぶん最古の都市を築いた人々、
つまりアトランティス人の象徴だと
思うのですが、3巻や7巻で触れ
られている兎の説話の意味が、
どうもよく分かりません。
最終回では、これらの謎も明らかに
なるとよいのですが。
12巻の雑感は今日で終わりですが、
話の流れの都合上、97話まで述べて
一区切りをつけようと思います。
12巻を読んで改めて思いましたが、
原作者さんはやはり上手いなあ、と。
私はとてもこんなストーリーは思い
つきそうにありません(笑)。