『イリヤッド』106話「最後の審判」(『ビッグコミックオリジナル』10/20号)
最新号が発売されたので、さっそく購入しました。前号では、入矢・ゼプコ老人・呉文明(リチャード=ウー)の三人が始皇帝陵からの脱出に成功し、入矢が始皇帝の棺で見つけた羊皮紙に書かれていた文章が、いかなる意味を持つのか、と考察しているところで終わりました。前号の予告では、入矢がアトランティス探索の続行を躊躇うとあったので、その理由が何なのか、たいへん気になっていたのですが・・・。
さて、今回の話は、30年前の香港から始まります。8歳の呉文明が、札付きの不良二人と対決するために、丘の中腹で座って待っていると、異母兄の呉規清が現れます。札付きの不良二人だから、大怪我をするぞ、と言う呉規清にたいして、呉文明は冷静です。
よく冷静でいられるな、と言う呉規清にたいして、呉文明は秘訣がある、と答えます。丘の中腹を横切る道の脇に立っている松を指した呉文明は、松を見て自分が松になったと思い、自分が松を見ているとき、松も自分を見ていると想像すると、自分と松の間に境界も道もなくなり、五感が研ぎすまされて、痛みや死といった怖いものがなくなるのだ、と説明しますが、呉規清は理解できません。
何を侮辱されたのだ?と呉規清に問われた呉文明は、死んだ母が売女と侮辱されたのだ、と答えます。ちがうのか?と問いかける呉規清にたいし、呉文明は、母は料理人で屋台から頑張って一人で店を興したのだ、と答えます。俺の親父の援助があってのことだろ?と皮肉交じりに問いかける呉規清にたいして、二人が知り合ったのは、母が店を出した後だ、と呉文明は答えます。
場面は変わって、現代の台北です。「山の老人」の一員である張が料理店で食事中のところ、呉規清が訪ねてきます。呉規清は、始皇帝陵から脱出した弟を暗殺することはやめていただきたい、と張に言い、さらに、30年前の呉文明と不良二人の対決について触れます。
呉規清が広めた噂により(明示されていませんが、呉文明の母親が売女だということでしょう)、呉文明は窮地に陥り、呉規清は自分を少し恥じたのですが、既述のように、呉文明は落ち着きはらっていました。弟さんに脱帽したのか?との張の問いかけにたいし、いや、ますます嫌いになった、と呉規清は答えます。
張は、神と悪魔がテーブルをはさんで対峙し、迷える人間たちを優雅に高みの見物、最後の審判のときもこういう感じかな、と言います。さらに張は、「人殺しは簡単だ。いつ実行してもいいというルールなら、チャンスは必ず訪れる・・・・・・今回私が命令を下さなくても、彼らの状況は何も変わらんよ」と言い、弟を暗殺してないでほしい、との呉規清の頼みを拒絶します。
これを受けて呉規清は、弟に何かあれば、我が家の財産は自動的にあなたの組織に向けられると言い、暗殺結社に暗殺者を差し向けるのか?と張が問い質すと、「もっと嫌なことです。“山の老人”の実在を証明し、白日のもとに曝します」と返答します。
呉規清から脅迫されても、張は動揺した様子を見せず、「とりあえず、本妻の子と妾の子の兄弟愛に乾杯だ!!」と余裕を見せます。呉規清は、弟を殺したくないのは愛からではない、弟は幼いころから道(タオ)を知っていて、道はあってないものだと知りつつ、それでも信じる道を突き進み、自分よりもっと立派な男でもある、と言います。
冷静に「だから?」と言う張にたいして、呉規清は、「あなた方が守っている人類の存亡に関わる秘密!そんなちっぽけな何かより、彼の命の方がずっとずっと大切だからだ!!」と怒気を交えて言い放ちます。
一方、始皇帝陵から脱出した入矢・ゼプコ老人・呉文明の三人は、小川で体を洗い暫し休憩した後、街へと戻ろうとしますが、入矢は元気がありません。入矢は、自分のアトランティス探索がルスティケロの『東方見聞録』祖本の発見から始まったこと、シュリーマンもルスティケロの子孫から祖本の情報を得ていたことを思い、何もかもルスティケロに仕組まれていたのではないか、これまでの命がけの冒険すら、全部ルスティケロの掌で踊らされていたようだ、と言います。
ルスティケロとは何者だ?と問うゼプコ老人にたいして、入矢は、分かっているのは、13世紀ピサ出身で、ジェノヴァとヴェネツィアとの戦争のさい捕虜になり、獄中でマルコ=ポーロと知り合い、マルコの冒険を記して『世界の叙述』として出版し、『東方見聞録』と改題後、大ベストセラーになった、ということだけだ、と言います。
どうも入矢は、ルスティケロが、エドワード一世に仕え、エドワード一世の所有したアーサー王伝説語った本を翻訳したことは知らないようですが、これはピツラ博士が入矢に知らせるという展開になるのでしょうか。
「謎を解き明かすのは、まだまだ遠い道のりのようですね・・・・・・さらなる危険に謎・・・・・・俺にやり通せるのかなあ、なんて・・・」と弱音を吐く入矢にたいして、呉文明は、「一番の障害は“山の老人”?」と問いかけます。
「山の老人」がなぜアトランティスを秘密にしておきたいのか、人類が知ってはいけない秘密とは何だろうか?と自問した入矢は、「大勢の人が死に、まだまだ死んでゆく・・・・・・俺にも責任の一端がある・・・・・・」と言い、アトランティス探索を続行すべきか、悩んでいることを打ち明けます。
悩んでいる入矢にたいして呉文明は、母から昔教わった秘訣がある、先に進めるかやめるか、道を決めるとてもいい方法だ、と言い、道の脇に立つ松の木を指します。呉文明は、「あなたはあなたであると同時に松でもあると想像してみてください」と入矢に言い、入矢は座って瞑想します。
すると、闘志がわいてきた入矢は、「人間にとって知ってはいけない秘密なんてない!!どんな衝撃的な事実が暴かれようと、それが真実なら・・・・・・目を背けず、見つめなければならないんだ!!」と改めてアトランティス探索の強い決意を表明し、ゼプコ老人と呉文明も安堵します。
三人は自動車に乗り西安の街へと向かいますが、男性六人が乗った車が前方から迫ってきます。「山の老人」の暗殺部隊か、と緊張する三人ですが、呉文明は、さきほどの瞑想法は、戦いに臨むさいにも役立ち、八歳のときも母を侮辱されて決闘したときにも、それで何とか恐怖を克服した、と言います。男性六人は、幸いにも「山の老人」の暗殺部隊ではなかったようで(三人が無事始皇帝陵から脱出できるか否か、監視するという役割を担っていた、という可能性はないわけではありませんが・・・)、挨拶をしてすれ違います。
三人は無事に街に戻り、ゼプコ老人は呉文明に、八歳のときの決闘には勝ったのか?と訊きます。敵は来なかった、と答える呉文明にたいして、ゼプコ老人は、呉文明が瞑想で恐怖を克服した様子を敵は見て、恐れおののいて戦いを放棄したのか?と問いかけます。呉文明は、子供のころはずっとそう信じていたが、じつは、異母兄が大人を雇って脅しをかけて敵を止めたのだ、と答えます。「いい兄さんじゃないか」と言うゼプコ老人にたいして、呉文明が「さあ、どうでしょうか」と答えるところで、今回は終了です。
今回は、呉兄弟の葛藤を絡めつつ、入矢がアトランティス探索の決意を確固たるものにしたことが描かれており、歴史ミステリーはあまり進まず、ヒューマンストーリーの性格が強い内容となっていますが、作品の質としてはイマイチだったように思います。
まず、今になって入矢がアトランティス探索を悩む理由は、分からないでもないのですが、呉文明に進められて瞑想した結果、思いなおしてアトランティス探索の意思を強固なものとした心境の変化とのつながりが、どうも弱いように思われます。
入矢は、ルスティケロが深く関わっていることが明らかになったことで、自分の気づいていない恐ろしい大きな枠組みの中で踊らされているのではないか、アトランティスの真相はまだまだ遠く、さらに人が死ぬことになるのではないか、との不安にかられたのでしょう。
ユカタン半島のチチェンイツァのピラミッドで、入矢はバトラー神父とゼプコ老人に、もう人の死は見たくない、と言っていますので、アトランティスの真相がまだ先となると、探索を躊躇ってしまうのは分かります。
しかし、瞑想をして決意を固めた入矢が言ったのは、どんな衝撃的な事実でも、それが真実なら、直視せねばならない、ということで、これだと、衝撃的な事実を受け止める勇気があるのか否か、という悩みの解決にはなっても、人が死ぬ危険性という悩みの解決にはなっていません。どうも、入矢の悩みから解決までの心理描写が、ちぐはぐになっているような気がします。
次に、表題になっている「最後の審判」ですが、これがどういう意味をもつのか、どうもよく分かりませんでした(私の読解力に問題があるのかもしれませんが・・・)。『イリヤッド』では、表題とその回の内容に密接な関係があることが多いので、何かを象徴しているのかもしれないのですが、現時点では私には分かりません。
単純に考えると、神=呉規清、悪魔=張(山の老人)、迷える人間たち=入矢・呉文明といったアトランティス探索者ということになりそうですが、これをどう解釈すべきかというと・・・あるいは、後になってその意味がはっきりとするのでしょうか。
今後の展開として、本題からはややずれる面で気になるのは、呉規清が「山の老人」にたいして対決姿勢を鮮明にしたため、呉規清も暗殺の対象になるのか、ということと、入矢・ゼプコ老人・呉文明が始皇帝陵から無事脱出したため、張が何らかの処罰を受けるのか、ということです。
本題で気になるのは、始皇帝陵の次はどこを訪れるのか、ということですが、これは次にどの手がかりを探すのか、ということによるのでしょう。ルスティケロが重要な手がかりとして浮上してきましたので、イタリアでピツラ博士と合流ということになるのでしょうか。
予告は、「“山の老人”に内在する二つのイデオロギーとは!?」となっているので、「山の老人」が必死に隠蔽し続けてきた秘密が、次号でついに多少なりとも具体的に描かれるのかもしれず、大いに期待したいところです(笑)。
それにしても、内在する二つのイデオロギーとはどういう意味なのでしょうか。グレコ神父が登場して、誰かに語るという形式で、その真相に迫るということになるのかもしれません。「山の老人」が隠蔽したいのは、すべての神様に関わる秘密らしいのですが、はたして、地中海沿岸だけではなく、東アジアやアメリカ大陸の先住民(アメリカ大陸はアトランティスにまつわる秘密とは無関係かもしれませんが・・・)の神様にも関わるような秘密とは何なのでしょうか・・・。謎は深まります。
さて、今回の話は、30年前の香港から始まります。8歳の呉文明が、札付きの不良二人と対決するために、丘の中腹で座って待っていると、異母兄の呉規清が現れます。札付きの不良二人だから、大怪我をするぞ、と言う呉規清にたいして、呉文明は冷静です。
よく冷静でいられるな、と言う呉規清にたいして、呉文明は秘訣がある、と答えます。丘の中腹を横切る道の脇に立っている松を指した呉文明は、松を見て自分が松になったと思い、自分が松を見ているとき、松も自分を見ていると想像すると、自分と松の間に境界も道もなくなり、五感が研ぎすまされて、痛みや死といった怖いものがなくなるのだ、と説明しますが、呉規清は理解できません。
何を侮辱されたのだ?と呉規清に問われた呉文明は、死んだ母が売女と侮辱されたのだ、と答えます。ちがうのか?と問いかける呉規清にたいし、呉文明は、母は料理人で屋台から頑張って一人で店を興したのだ、と答えます。俺の親父の援助があってのことだろ?と皮肉交じりに問いかける呉規清にたいして、二人が知り合ったのは、母が店を出した後だ、と呉文明は答えます。
場面は変わって、現代の台北です。「山の老人」の一員である張が料理店で食事中のところ、呉規清が訪ねてきます。呉規清は、始皇帝陵から脱出した弟を暗殺することはやめていただきたい、と張に言い、さらに、30年前の呉文明と不良二人の対決について触れます。
呉規清が広めた噂により(明示されていませんが、呉文明の母親が売女だということでしょう)、呉文明は窮地に陥り、呉規清は自分を少し恥じたのですが、既述のように、呉文明は落ち着きはらっていました。弟さんに脱帽したのか?との張の問いかけにたいし、いや、ますます嫌いになった、と呉規清は答えます。
張は、神と悪魔がテーブルをはさんで対峙し、迷える人間たちを優雅に高みの見物、最後の審判のときもこういう感じかな、と言います。さらに張は、「人殺しは簡単だ。いつ実行してもいいというルールなら、チャンスは必ず訪れる・・・・・・今回私が命令を下さなくても、彼らの状況は何も変わらんよ」と言い、弟を暗殺してないでほしい、との呉規清の頼みを拒絶します。
これを受けて呉規清は、弟に何かあれば、我が家の財産は自動的にあなたの組織に向けられると言い、暗殺結社に暗殺者を差し向けるのか?と張が問い質すと、「もっと嫌なことです。“山の老人”の実在を証明し、白日のもとに曝します」と返答します。
呉規清から脅迫されても、張は動揺した様子を見せず、「とりあえず、本妻の子と妾の子の兄弟愛に乾杯だ!!」と余裕を見せます。呉規清は、弟を殺したくないのは愛からではない、弟は幼いころから道(タオ)を知っていて、道はあってないものだと知りつつ、それでも信じる道を突き進み、自分よりもっと立派な男でもある、と言います。
冷静に「だから?」と言う張にたいして、呉規清は、「あなた方が守っている人類の存亡に関わる秘密!そんなちっぽけな何かより、彼の命の方がずっとずっと大切だからだ!!」と怒気を交えて言い放ちます。
一方、始皇帝陵から脱出した入矢・ゼプコ老人・呉文明の三人は、小川で体を洗い暫し休憩した後、街へと戻ろうとしますが、入矢は元気がありません。入矢は、自分のアトランティス探索がルスティケロの『東方見聞録』祖本の発見から始まったこと、シュリーマンもルスティケロの子孫から祖本の情報を得ていたことを思い、何もかもルスティケロに仕組まれていたのではないか、これまでの命がけの冒険すら、全部ルスティケロの掌で踊らされていたようだ、と言います。
ルスティケロとは何者だ?と問うゼプコ老人にたいして、入矢は、分かっているのは、13世紀ピサ出身で、ジェノヴァとヴェネツィアとの戦争のさい捕虜になり、獄中でマルコ=ポーロと知り合い、マルコの冒険を記して『世界の叙述』として出版し、『東方見聞録』と改題後、大ベストセラーになった、ということだけだ、と言います。
どうも入矢は、ルスティケロが、エドワード一世に仕え、エドワード一世の所有したアーサー王伝説語った本を翻訳したことは知らないようですが、これはピツラ博士が入矢に知らせるという展開になるのでしょうか。
「謎を解き明かすのは、まだまだ遠い道のりのようですね・・・・・・さらなる危険に謎・・・・・・俺にやり通せるのかなあ、なんて・・・」と弱音を吐く入矢にたいして、呉文明は、「一番の障害は“山の老人”?」と問いかけます。
「山の老人」がなぜアトランティスを秘密にしておきたいのか、人類が知ってはいけない秘密とは何だろうか?と自問した入矢は、「大勢の人が死に、まだまだ死んでゆく・・・・・・俺にも責任の一端がある・・・・・・」と言い、アトランティス探索を続行すべきか、悩んでいることを打ち明けます。
悩んでいる入矢にたいして呉文明は、母から昔教わった秘訣がある、先に進めるかやめるか、道を決めるとてもいい方法だ、と言い、道の脇に立つ松の木を指します。呉文明は、「あなたはあなたであると同時に松でもあると想像してみてください」と入矢に言い、入矢は座って瞑想します。
すると、闘志がわいてきた入矢は、「人間にとって知ってはいけない秘密なんてない!!どんな衝撃的な事実が暴かれようと、それが真実なら・・・・・・目を背けず、見つめなければならないんだ!!」と改めてアトランティス探索の強い決意を表明し、ゼプコ老人と呉文明も安堵します。
三人は自動車に乗り西安の街へと向かいますが、男性六人が乗った車が前方から迫ってきます。「山の老人」の暗殺部隊か、と緊張する三人ですが、呉文明は、さきほどの瞑想法は、戦いに臨むさいにも役立ち、八歳のときも母を侮辱されて決闘したときにも、それで何とか恐怖を克服した、と言います。男性六人は、幸いにも「山の老人」の暗殺部隊ではなかったようで(三人が無事始皇帝陵から脱出できるか否か、監視するという役割を担っていた、という可能性はないわけではありませんが・・・)、挨拶をしてすれ違います。
三人は無事に街に戻り、ゼプコ老人は呉文明に、八歳のときの決闘には勝ったのか?と訊きます。敵は来なかった、と答える呉文明にたいして、ゼプコ老人は、呉文明が瞑想で恐怖を克服した様子を敵は見て、恐れおののいて戦いを放棄したのか?と問いかけます。呉文明は、子供のころはずっとそう信じていたが、じつは、異母兄が大人を雇って脅しをかけて敵を止めたのだ、と答えます。「いい兄さんじゃないか」と言うゼプコ老人にたいして、呉文明が「さあ、どうでしょうか」と答えるところで、今回は終了です。
今回は、呉兄弟の葛藤を絡めつつ、入矢がアトランティス探索の決意を確固たるものにしたことが描かれており、歴史ミステリーはあまり進まず、ヒューマンストーリーの性格が強い内容となっていますが、作品の質としてはイマイチだったように思います。
まず、今になって入矢がアトランティス探索を悩む理由は、分からないでもないのですが、呉文明に進められて瞑想した結果、思いなおしてアトランティス探索の意思を強固なものとした心境の変化とのつながりが、どうも弱いように思われます。
入矢は、ルスティケロが深く関わっていることが明らかになったことで、自分の気づいていない恐ろしい大きな枠組みの中で踊らされているのではないか、アトランティスの真相はまだまだ遠く、さらに人が死ぬことになるのではないか、との不安にかられたのでしょう。
ユカタン半島のチチェンイツァのピラミッドで、入矢はバトラー神父とゼプコ老人に、もう人の死は見たくない、と言っていますので、アトランティスの真相がまだ先となると、探索を躊躇ってしまうのは分かります。
しかし、瞑想をして決意を固めた入矢が言ったのは、どんな衝撃的な事実でも、それが真実なら、直視せねばならない、ということで、これだと、衝撃的な事実を受け止める勇気があるのか否か、という悩みの解決にはなっても、人が死ぬ危険性という悩みの解決にはなっていません。どうも、入矢の悩みから解決までの心理描写が、ちぐはぐになっているような気がします。
次に、表題になっている「最後の審判」ですが、これがどういう意味をもつのか、どうもよく分かりませんでした(私の読解力に問題があるのかもしれませんが・・・)。『イリヤッド』では、表題とその回の内容に密接な関係があることが多いので、何かを象徴しているのかもしれないのですが、現時点では私には分かりません。
単純に考えると、神=呉規清、悪魔=張(山の老人)、迷える人間たち=入矢・呉文明といったアトランティス探索者ということになりそうですが、これをどう解釈すべきかというと・・・あるいは、後になってその意味がはっきりとするのでしょうか。
今後の展開として、本題からはややずれる面で気になるのは、呉規清が「山の老人」にたいして対決姿勢を鮮明にしたため、呉規清も暗殺の対象になるのか、ということと、入矢・ゼプコ老人・呉文明が始皇帝陵から無事脱出したため、張が何らかの処罰を受けるのか、ということです。
本題で気になるのは、始皇帝陵の次はどこを訪れるのか、ということですが、これは次にどの手がかりを探すのか、ということによるのでしょう。ルスティケロが重要な手がかりとして浮上してきましたので、イタリアでピツラ博士と合流ということになるのでしょうか。
予告は、「“山の老人”に内在する二つのイデオロギーとは!?」となっているので、「山の老人」が必死に隠蔽し続けてきた秘密が、次号でついに多少なりとも具体的に描かれるのかもしれず、大いに期待したいところです(笑)。
それにしても、内在する二つのイデオロギーとはどういう意味なのでしょうか。グレコ神父が登場して、誰かに語るという形式で、その真相に迫るということになるのかもしれません。「山の老人」が隠蔽したいのは、すべての神様に関わる秘密らしいのですが、はたして、地中海沿岸だけではなく、東アジアやアメリカ大陸の先住民(アメリカ大陸はアトランティスにまつわる秘密とは無関係かもしれませんが・・・)の神様にも関わるような秘密とは何なのでしょうか・・・。謎は深まります。
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