フロレシエンシスは小頭症の現生人類との論文発表される
2004年の“nature”での発表以降(発見は2003年)、古人類学界で最大の論点になっているともいえる、フロレシエンシスについての解釈ですが、今年になって、新種フロレシエンシスではなく、小頭症の現生人類だとの見解が相次いで発表され、新種説が苦しくなったようにも見えます。
最近になって、“Anatomical Record”11月号に論文が発表され、ここでも新種説が否定され、小頭症の現生人類との見解が提示されています。論文概要は下記リンク先を参照してください。
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/113388387/ABSTRACT
また、この論文は他のサイトでも取り上げられています。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-10/fm-ced100206.php
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-10/jws-nhs100206.php
http://www.newscientist.com/article/dn10246-taking-sides-in-the-battle-of-the-hobbit.html
現生人類説の根拠は、第一に、新種説派による、LB1個体(フロレシエンシスで唯一頭蓋骨がほぼ完全に残っていた女性人骨)と小頭症患者との比較が一例しかなく、その解釈が間違っていた、というもので、今回は、複数の小頭症の成人個体と比較し、その類似点を確認できた、ということです。次に、新種説派がいうように、フロレシエンシスがエレクトスから派生したとすると、その脳容量が不自然なほど小さいということです。
これらは、すでに現生人類説派が以前より指摘していたことで、その他にも、石刃技法を使用した高度な石器とフロレシエンシス人骨群が共伴しており、これら高度な石器をエレクトスが用いた形跡がないことも、現生人類説の根拠とされています。
どうも、現生人類説派の勢いがよいように思われますが、LB1個体の頤がなく低身長という特徴は、他の個体にも認められ、集団としての特徴だったと思われます。残念ながら、LB1以外の頭蓋骨は発見されていませんが、LB1は集団内の特異な個体ではなく、その特徴がそのまま集団の特徴だった可能性は、けっして低くないようにも思われます。そうすると、これを現生人類の集団とみるのは難しそうです。
また、フロレシエンシスは遅くとも95000年前にフローレス島にいましたので、現生人類の拡大についても大きな見直しが必要となります。エレクトスから進化した新種とみなしても、現生人類とみなしても、色々と難問を突きつけてくる、じつに厄介な、しかし楽ませてもくれる人類集団ですが、DNAの抽出・分析が絶望的なので、リンク先でストリンガー博士が指摘しているように、フロレシエンシスの第二の頭蓋骨が発見されるまでは、激論が続くのでしょう。
最近になって、“Anatomical Record”11月号に論文が発表され、ここでも新種説が否定され、小頭症の現生人類との見解が提示されています。論文概要は下記リンク先を参照してください。
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/113388387/ABSTRACT
また、この論文は他のサイトでも取り上げられています。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-10/fm-ced100206.php
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-10/jws-nhs100206.php
http://www.newscientist.com/article/dn10246-taking-sides-in-the-battle-of-the-hobbit.html
現生人類説の根拠は、第一に、新種説派による、LB1個体(フロレシエンシスで唯一頭蓋骨がほぼ完全に残っていた女性人骨)と小頭症患者との比較が一例しかなく、その解釈が間違っていた、というもので、今回は、複数の小頭症の成人個体と比較し、その類似点を確認できた、ということです。次に、新種説派がいうように、フロレシエンシスがエレクトスから派生したとすると、その脳容量が不自然なほど小さいということです。
これらは、すでに現生人類説派が以前より指摘していたことで、その他にも、石刃技法を使用した高度な石器とフロレシエンシス人骨群が共伴しており、これら高度な石器をエレクトスが用いた形跡がないことも、現生人類説の根拠とされています。
どうも、現生人類説派の勢いがよいように思われますが、LB1個体の頤がなく低身長という特徴は、他の個体にも認められ、集団としての特徴だったと思われます。残念ながら、LB1以外の頭蓋骨は発見されていませんが、LB1は集団内の特異な個体ではなく、その特徴がそのまま集団の特徴だった可能性は、けっして低くないようにも思われます。そうすると、これを現生人類の集団とみるのは難しそうです。
また、フロレシエンシスは遅くとも95000年前にフローレス島にいましたので、現生人類の拡大についても大きな見直しが必要となります。エレクトスから進化した新種とみなしても、現生人類とみなしても、色々と難問を突きつけてくる、じつに厄介な、しかし楽ませてもくれる人類集団ですが、DNAの抽出・分析が絶望的なので、リンク先でストリンガー博士が指摘しているように、フロレシエンシスの第二の頭蓋骨が発見されるまでは、激論が続くのでしょう。
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