『イリヤッド』11巻ティトゥアン地下迷路編(3)
9月2日分の続きです。
入矢とバシャが迷路の中心の部屋で見たものは、ネート・アテナ・メドゥーサの三女神の像でした。入矢は、この三女神が一体であるとの自説に確信をもちます。周囲の壁には、波を渡る兎が描かれ、兎の目指す先には、羊が描かれていました。
この意味を考えている入矢にたいして、バシャは「夢の終わる時間だ」と言い、部屋を爆破する準備を始めます。入矢は、もう一つだけ頼みがある、ネートの像の下にある石棺の中が見たい、とバシャに言い、バシャはあきれつつも石棺の蓋を開けようとしますが、蓋は動きません。
入矢がふと思い立って、もってきた円盤を蓋の穴にはめると、バシャは蓋を開けることができました。中には、人間の亡骸と遺物が入っていました。入矢は、おそらく古代ベルベル人、つまりアマゾクの女王のだろう、と推測します。その女王は、大切そうに金属製の球体を抱えていました。
入矢がその球体を調べようとすると、もういいだろう、と言ってバシャが入矢を突き飛ばします。今でも夢を見られるか?と問うバシャにたいして、入矢は「俺は死ぬまで夢を見るさ・・・・・・」と答えます。
バシャは入矢にたいして、妻子を誤って焼き殺してしまったという自分の話を聞いて涙を流してくれた恩があるから、入矢には苦痛を伴わない方法を用いて殺すつもりだ、と述べます。
それを聞いた入矢は、バシャにたいして、あんたに夢が戻ったら自分は死なずにすむのか?と問いかけ、あんたは夢を奪われたのではなく、見たくないだけであって、人は望めばいつでも夢を見られるが、それには勇気がいる、と言います。
バシャは、五分だけだ、と言い、瞑想を始めます。目を開けたバシャは涙を流し、感情・夢を取り戻したので入矢を殺すことをやめ、重傷の入矢を背負って引き返し始めます。
入矢を背負ったバシャは、入矢の救出にやってきたデメルと出会い、デメルに金属製の球体を渡し、今度はデメルが入矢を背負って引き返し始めます。
入矢に、「山の老人」は何を恐れているのかと尋ねられたバシャは、現存するアトランティス本四冊(プラトン『ティマイオス』『クリティアス』、ヘロドトス『歴史』、ディオドロス『ビブリオテーケー』)のうち、多くのアトランティス研究家がプラトンの著作にしか注目しなかったのは、「山の老人」にとって幸運だった、と言います。
やはり鍵はディオドロスか?と入矢に尋ねられたバシャは、ディオドロスの著作はプラトンよりはるかにリアルで、これを読まずしてアトランティス伝説は語れないが、「山の老人」が本当に恐れている書物はディオドロスの著作でもない、と答えます。
ここで三人は扉を支えているロッカと再開し、バシャはロッカに、自分が代わろうと申し出ます。ところが、引き返そうとする入矢・デメル・ロッカの三人にたいして、バシャは引き返そうとはしません。
入矢は、いっしょに戻ろうと促しますが、バシャは、夢を取り戻すため11人もの人間を殺害したので(この入矢殺害の任務で、最初にムンツを殺しているので、12人のはずでは?と思うのですが・・・)、夢が戻った今贖罪が必要だ、と言い、さらに、人を殺し続けた人間が幸せに暮らせると思うか?と入矢に問いかけ、自分はここで家族と過ごし、たっぷりと夢を見る、と言います。
バシャは入矢にたいし、お別れに教えてあげよう、「山の老人」がもっとも恐れている書物は『旧約聖書』とヘロドトス『歴史』の二冊だ、と言い、扉を降ろして迷路の中心の部屋へと戻っていきます。家族の姿を思い浮かべ、バシャが涙を流すところで、ティトゥアン地下迷路編は終了ですので、バシャが爆死した場面は描かれていません。
ずいぶんと長くなりましたが、ティトゥアン地下迷路編は、後一回で終わりの予定です。
入矢とバシャが迷路の中心の部屋で見たものは、ネート・アテナ・メドゥーサの三女神の像でした。入矢は、この三女神が一体であるとの自説に確信をもちます。周囲の壁には、波を渡る兎が描かれ、兎の目指す先には、羊が描かれていました。
この意味を考えている入矢にたいして、バシャは「夢の終わる時間だ」と言い、部屋を爆破する準備を始めます。入矢は、もう一つだけ頼みがある、ネートの像の下にある石棺の中が見たい、とバシャに言い、バシャはあきれつつも石棺の蓋を開けようとしますが、蓋は動きません。
入矢がふと思い立って、もってきた円盤を蓋の穴にはめると、バシャは蓋を開けることができました。中には、人間の亡骸と遺物が入っていました。入矢は、おそらく古代ベルベル人、つまりアマゾクの女王のだろう、と推測します。その女王は、大切そうに金属製の球体を抱えていました。
入矢がその球体を調べようとすると、もういいだろう、と言ってバシャが入矢を突き飛ばします。今でも夢を見られるか?と問うバシャにたいして、入矢は「俺は死ぬまで夢を見るさ・・・・・・」と答えます。
バシャは入矢にたいして、妻子を誤って焼き殺してしまったという自分の話を聞いて涙を流してくれた恩があるから、入矢には苦痛を伴わない方法を用いて殺すつもりだ、と述べます。
それを聞いた入矢は、バシャにたいして、あんたに夢が戻ったら自分は死なずにすむのか?と問いかけ、あんたは夢を奪われたのではなく、見たくないだけであって、人は望めばいつでも夢を見られるが、それには勇気がいる、と言います。
バシャは、五分だけだ、と言い、瞑想を始めます。目を開けたバシャは涙を流し、感情・夢を取り戻したので入矢を殺すことをやめ、重傷の入矢を背負って引き返し始めます。
入矢を背負ったバシャは、入矢の救出にやってきたデメルと出会い、デメルに金属製の球体を渡し、今度はデメルが入矢を背負って引き返し始めます。
入矢に、「山の老人」は何を恐れているのかと尋ねられたバシャは、現存するアトランティス本四冊(プラトン『ティマイオス』『クリティアス』、ヘロドトス『歴史』、ディオドロス『ビブリオテーケー』)のうち、多くのアトランティス研究家がプラトンの著作にしか注目しなかったのは、「山の老人」にとって幸運だった、と言います。
やはり鍵はディオドロスか?と入矢に尋ねられたバシャは、ディオドロスの著作はプラトンよりはるかにリアルで、これを読まずしてアトランティス伝説は語れないが、「山の老人」が本当に恐れている書物はディオドロスの著作でもない、と答えます。
ここで三人は扉を支えているロッカと再開し、バシャはロッカに、自分が代わろうと申し出ます。ところが、引き返そうとする入矢・デメル・ロッカの三人にたいして、バシャは引き返そうとはしません。
入矢は、いっしょに戻ろうと促しますが、バシャは、夢を取り戻すため11人もの人間を殺害したので(この入矢殺害の任務で、最初にムンツを殺しているので、12人のはずでは?と思うのですが・・・)、夢が戻った今贖罪が必要だ、と言い、さらに、人を殺し続けた人間が幸せに暮らせると思うか?と入矢に問いかけ、自分はここで家族と過ごし、たっぷりと夢を見る、と言います。
バシャは入矢にたいし、お別れに教えてあげよう、「山の老人」がもっとも恐れている書物は『旧約聖書』とヘロドトス『歴史』の二冊だ、と言い、扉を降ろして迷路の中心の部屋へと戻っていきます。家族の姿を思い浮かべ、バシャが涙を流すところで、ティトゥアン地下迷路編は終了ですので、バシャが爆死した場面は描かれていません。
ずいぶんと長くなりましたが、ティトゥアン地下迷路編は、後一回で終わりの予定です。
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