自民党総裁選結果とタイのクーデター

 早々と勝負が決まった感があったので、さっぱり盛り上がりませんでしたが、事前の報道通り、安倍官房長官の圧勝となりました。問題は、安倍官房長官がどれだけ票を集められるか、ということだったのですが、安倍官房長官が地方197票、国会議員267票で計464票となり、一回目の投票で、麻生外務大臣の136票、谷垣財務大臣の102票をおさえて過半数を制しました。ただ、安倍陣営が目標としていた7割以上の得票には届きませんでした。来年の参院選までの短命内閣となりそうですが、とりあえず次の焦点は、党三役と内閣の人事ということになります。

 昨晩、タイでソンティ陸軍司令官率いる「民主改革評議会」による軍事クーデターが起き、憲法が停止され、全土への戒厳令が布告されました。タイでは今年初めにタクシン首相一族の株取引疑惑が発覚し、首相退陣を求める勢力の大規模なデモが起きるなど、政治が混乱しました。タクシン首相は政局打開のために下院選挙を強行したのですが、野党がボイコットし、裁判所でも無効とされ、混乱に拍車をかけ、収集の目処がつかないまま、現在にいたっていました。
 タクシン首相は、アジア欧州会議首脳会議、非同盟諸国会議、国連総会と外遊が相次ぎ、首相の長期不在につけこんだクーデターといえるでしょう。国連総会出席のためニューヨーク滞在中だったタクシン首相は、テレビで非常事態を宣言しましたが、事態がどう推移するかは、まだなんとも言えない状況です。タイではプミポン国王の権威がひじょうに高いので、国王の判断が重要となりそうです。

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