フロレシエンシスをめぐる議論
2004年にインドネシアのフロレス島で発見された人骨は、発見者によってホモ属の新種フロレシエンシスであるとされましたが、発表当初より、これは新種ではなく、小頭症などの発達障害の現生人類ではないか、との疑いが言われており、今年になって、専門誌にもあいついで新種認定への批判論文が掲載されました。
最近も、この古人骨にはフロレス島の小柄な現代人集団と似た特徴が認められ、脳が小さいことや顔面の左右の非対称性は、小頭症のためである、との同様の批判報告が専門家からなされ、昨日になって海外のマスコミで相次いで報道されて、私も今日になって知りました。
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0605563103
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2087-2320787.html
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-08/ps-nhi081606.php
この批判が妥当だとすると、小さな脳に「高度な技術の石器」という「不可思議」は解決されますが、では、これで問題がなくなるのかというと、どうもそうではないように思われます。
フロレス島で発見された84万年前とされる石器は、その年代の確かさや石器か否かの判断も含めて、とりあえずおいておくとして、人骨は95000~12000年前までの存在が確認されていますから、アフリカからインド経由での現生人類の拡散を7万年前あたりとする、じゅうらいのホモ=サピエンスの世界拡散のシナリオの修正が必要となります。
DNAの分析に成功すれば、新種か否かの議論の最終的な決め手になるでしょうが、いまのところ、成功したとの報告はありません。熱帯地域での出土でしたから、DNAの採取が難しいのでしょう。こうなると、他の古人類や小頭症患者も含めて現代人との形態学的な比較を進めていくしかなく、一応の決着がつくにはかなりの時間がかかりそうです。
最近も、この古人骨にはフロレス島の小柄な現代人集団と似た特徴が認められ、脳が小さいことや顔面の左右の非対称性は、小頭症のためである、との同様の批判報告が専門家からなされ、昨日になって海外のマスコミで相次いで報道されて、私も今日になって知りました。
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0605563103
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2087-2320787.html
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-08/ps-nhi081606.php
この批判が妥当だとすると、小さな脳に「高度な技術の石器」という「不可思議」は解決されますが、では、これで問題がなくなるのかというと、どうもそうではないように思われます。
フロレス島で発見された84万年前とされる石器は、その年代の確かさや石器か否かの判断も含めて、とりあえずおいておくとして、人骨は95000~12000年前までの存在が確認されていますから、アフリカからインド経由での現生人類の拡散を7万年前あたりとする、じゅうらいのホモ=サピエンスの世界拡散のシナリオの修正が必要となります。
DNAの分析に成功すれば、新種か否かの議論の最終的な決め手になるでしょうが、いまのところ、成功したとの報告はありません。熱帯地域での出土でしたから、DNAの採取が難しいのでしょう。こうなると、他の古人類や小頭症患者も含めて現代人との形態学的な比較を進めていくしかなく、一応の決着がつくにはかなりの時間がかかりそうです。
この記事へのコメント