小泉首相の靖国神社参拝

 首相就任以降、過去5年は8月15日の靖国参拝を控えていた小泉首相ですが、今年は当初の公約通り8月15日に参拝しました。過去5年は反発がより大きいだろう8月15日を避け、退任直前の今年になって8月15日に参拝するあたり、小泉首相の無責任体質がよく表れていると思います。
 私としては、過去の経緯はどうあれ、現代の日本にとって、戦没者慰霊の施設として靖国神社は相応しくなく、特定の宗教法人に縛られない施設をその代わりとするのがよいと思いますが、この案には反対が強そうですから、難しいところです。

 予想通り、中国・韓国が激しく反発していますが、日本の軍国主義復活はもはやありえず、この点は中韓も理解して、日本攻撃の材料に使っているのだと思います。もちろん、米国に引きずられての日本の軍事活動が、結果として一部の地域に脅威を与えることはありえますが、米国という視点抜きの日本軍国主義復活批判など、的外れと言うべきでしょう。
 中国政府の場合は、この点を踏まえていて、その日本の軍国主義批判の裏に、米国の覇権主義への批判という意味合いもあるように思われます。まあ中国にとっては、日本のほうがはるかに批判しやすく、譲歩も引き出しやすいでしょうから、それも当然のことだと思います。日本も、この点を踏まえて対応すべきで、中国政府の主張に従えばよいというものでもないでしょう。

 それにしても、朝の情報番組など、マスコミは騒ぎすぎではないでしょうか。確かに、議論の必要な問題だとは思いますが、日本のマスコミが必要以上に大騒ぎし、外国政府がこれを利用するというのは、悪しき連環だと思います。

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