ラムタラ、英国へ売却

 1995年にダービー・キングジョージVI&クイーンエリザベスDS・凱旋門賞を無敗で制し、1996年に日本に輸入されたラムタラが、約2750万円で英国へ売却となりました。購入時の価格は約33億円(保険料込で45億円程度だったと記憶しています)で、総額約44億円のシンジケートが結成されたということで当時話題になり、NHKまでもが取り上げたくらいですが、シンジケート額からすると大失敗となり、ついには安く買い叩かれることになってしまいました。
 バブル時に、アメリカの土地やら何やらを高く買い取って、バブル崩壊後にアメリカから安く買い叩かれた日本企業と同じ失敗をしてしまったわけです。日本の競馬界は、日本社会全体より遅れてバブルが始まり、はじけたのですが、これは、バブル末期の大失敗だったというわけです。当時から競馬ファンの間では失敗するだろうと言われていて、私も、価格に見合った成功はない、と知人に話していましたが、大方の予想通りの結果となってしまいました。
 年明け初戦に、60年近く破られなかったマームードのレコードを更新してダービーを勝ち、キングジョージVI&クイーンエリザベスDSと凱旋門賞も連勝するという、戦績だけでいえばたいへんな名馬だったのですが、当時から能力的には超一流かどうか疑問視する人が少なからずいて、高額での購入にたいする批判の根拠のひとつとして、能力面での疑問もあったのだと思います。
 私が高額での購入批判的だったのは、ノーザンダンサーの血が溢れている日本に、ラムタラのようなノーザンダンサーの血の濃い馬を輸入しても、サンデーサイレンスのような大成功はもちろんのこと、ノーザンテーストやリアルシャダイやトニービン級の成功も無理だ、と思っていたからなのですが、この予想が当ったのは、日本のみならず、世界の競馬界にとって不幸なことでした。

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