『イリヤッド』11巻発売

 早速購入してきました。11巻には、81話「十二番目の仕事」、82話「迷路の悪夢」、83話「夢の終わり」、84話「夢のあと」、85話「ランプの精」、86話「ソロモンの壺」、87話「スペインの星」、88話「二つの神様」の8話が収められています。メインの話は、モロッコのティトゥアンにある地下迷路での冒険譚です。
 バシャが「山の老人」の暗殺者となった悲しい経緯と、入矢の夢を諦めない姿勢に心を打たれてのバシャの改心、バシャの最期を知ってのグレコ神父の号泣、甘さのある父を厳しく送り出そうとする息子、泥棒の父とその娘との間の葛藤と和解、息子を失った男と、異なる宗教を信仰する息子の嫁・孫娘との和解など、ヒューマンストーリー的性格が強い内容となっていますが、謎解きに関しても、かなりのヒントが提示されていて、じつに読み応えのある単行本となっています。

 今年の秋~冬に発売となるだろう12巻は、カナリア諸島での冒険譚がメインとなるでしょうが、話としては全体として11巻のほうが面白く、11巻は、12巻まででもっとも面白くなっていると思います。
 掲載誌の『ビッグコミックオリジナル』では101話まで進んでいますから、13巻の内容は3話分が未確定ですが(1巻につき8話所収です)、今のところは、11巻を超えるだけの内容ではないと思います。もっとも、後3話残されていますから、この3話分で、11巻を超えるだけの内容が描かれることを期待しています。

 『イリヤッド』について語るといつも長くなるので(笑)、今回はここまでにして、詳細な感想は、後日何回かに分けて述べようと思います。

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