『イリヤッド』の魅力
6月25日に触れた『イリヤッド』ですが、ウィキペディアから引用しておきながら、アドレスを貼り忘れていました。以下のアドレスです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%A4%E3%83%83%E3%83%89-%E5%85%A5%E7%9F%A2%E5%A0%82%E8%A6%8B%E8%81%9E%E9%8C%B2-
さて、この作品の魅力は、綿密な調査と謎が謎を呼ぶ奥深い展開にあるといえます。古典や各地の伝説や遺跡がよく調べられていて、虚実織り交ぜつつ話が展開していきますし、各地の遺跡や街の様子が実にていねいに描きこまれています。古典や伝説の些細とも思える一節から、歴史上の事件や各地の信仰など様々な要素を結びつけつつ伏線をはっていき、その伏線が新たな展開をもたらすととともに、以前にはられた伏線とつながっていくといったあたりは、ホーガン氏の名作『星を継ぐもの』と共通するところがあるように思います。
この歴史ミステリーとしての面白さとともに、前にも触れましたが、残忍な暗殺集団である「山の老人」との対決という、サスペンスとしての面白さも兼ね備えています。「山の老人」は残忍なだけに、次々とアトランティス探求者を殺害していきますが、作品を全体としてみると、あまり殺伐とした印象は与えないのは、主人公の入矢修造がちょっと抜けたところがあり愛嬌のあるキャラクターであることと、ヒューマンストーリー的性格の強い作品でもあることが挙げられるでしょう。
ときどき、アトランティス探索という本筋から外れた「人情話」が入りますし、サスペンス的展開の中に、ヒューマンストーリー的要素が盛り込まれている場合もあります。また、一見すると一話まるまる本筋から外れていても、新たな展開へとつながる内容だったり、重要な伏線がはられたりしていることもあります。もっとも、中には本当に本筋とはつながらない「人情話」の回もあるわけですが・・・。謎を追う緊迫した展開だけではなく、こうしたほっとさせるというか、心温まるというか、泣かせるというか、まあそのような「いい話」を適度に盛り込むことで、緊張と弛緩とのバランスが上手くたもたれているように思われます。
さて、ここまで『イリヤッド』を絶賛してきましたが、連載中の作品ですので、最終的な評価をくだすのは尚早です。これまでのところは、効果的に伏線を用いていますが、未解決の伏線も少なくありません。アトランティスの場所と実態、そして「人類がぜったい知るべきではない、太古の呪われた秘密」が明らかになったとき、それまではられていた伏線がきれいに一つにつながればよいのですが、収拾がつかなくなってしまったり、アトランティスの場所や秘密も明らかにされずに作品が終了してしまった場合は、期待が大きいだけに、失望も大きくなってしまうだろうと思います。ただ、ここまでの作品の質の高さを見ている私としては、期待に応えてくれるだけの結末を原作者さんが提示してくださるのではないかと思っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%A4%E3%83%83%E3%83%89-%E5%85%A5%E7%9F%A2%E5%A0%82%E8%A6%8B%E8%81%9E%E9%8C%B2-
さて、この作品の魅力は、綿密な調査と謎が謎を呼ぶ奥深い展開にあるといえます。古典や各地の伝説や遺跡がよく調べられていて、虚実織り交ぜつつ話が展開していきますし、各地の遺跡や街の様子が実にていねいに描きこまれています。古典や伝説の些細とも思える一節から、歴史上の事件や各地の信仰など様々な要素を結びつけつつ伏線をはっていき、その伏線が新たな展開をもたらすととともに、以前にはられた伏線とつながっていくといったあたりは、ホーガン氏の名作『星を継ぐもの』と共通するところがあるように思います。
この歴史ミステリーとしての面白さとともに、前にも触れましたが、残忍な暗殺集団である「山の老人」との対決という、サスペンスとしての面白さも兼ね備えています。「山の老人」は残忍なだけに、次々とアトランティス探求者を殺害していきますが、作品を全体としてみると、あまり殺伐とした印象は与えないのは、主人公の入矢修造がちょっと抜けたところがあり愛嬌のあるキャラクターであることと、ヒューマンストーリー的性格の強い作品でもあることが挙げられるでしょう。
ときどき、アトランティス探索という本筋から外れた「人情話」が入りますし、サスペンス的展開の中に、ヒューマンストーリー的要素が盛り込まれている場合もあります。また、一見すると一話まるまる本筋から外れていても、新たな展開へとつながる内容だったり、重要な伏線がはられたりしていることもあります。もっとも、中には本当に本筋とはつながらない「人情話」の回もあるわけですが・・・。謎を追う緊迫した展開だけではなく、こうしたほっとさせるというか、心温まるというか、泣かせるというか、まあそのような「いい話」を適度に盛り込むことで、緊張と弛緩とのバランスが上手くたもたれているように思われます。
さて、ここまで『イリヤッド』を絶賛してきましたが、連載中の作品ですので、最終的な評価をくだすのは尚早です。これまでのところは、効果的に伏線を用いていますが、未解決の伏線も少なくありません。アトランティスの場所と実態、そして「人類がぜったい知るべきではない、太古の呪われた秘密」が明らかになったとき、それまではられていた伏線がきれいに一つにつながればよいのですが、収拾がつかなくなってしまったり、アトランティスの場所や秘密も明らかにされずに作品が終了してしまった場合は、期待が大きいだけに、失望も大きくなってしまうだろうと思います。ただ、ここまでの作品の質の高さを見ている私としては、期待に応えてくれるだけの結末を原作者さんが提示してくださるのではないかと思っています。
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