クリミアの上部旧石器時代の現生人類のゲノムデータ

 クリミアで発見された上部旧石器時代の現生人類(Homo sapiens)のゲノムデータを報告した研究(Bennett et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、クリミア半島南部に位置するブラン・カヤ3(Buran-Kaya III)遺跡で発見された現生人類2個体のゲノムデータを…
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大河ドラマ『どうする家康』第41回「逆襲の三成」

 今回は失脚した石田三成の決起までが描かれました。すでに天下人ともみなされるようになった徳川家康の権勢を、茶々は苦々しく見ています。茶々は自分の母親を殺害に追い込み、後に夫となった羽柴秀吉よりも、賤ヶ岳合戦で援軍を派遣しなかった家康の方を恨んでいるので、家康の権勢を苦々しく思うのは当然ですが、家康に大軍を率いて上杉討伐に赴くよう促したの…
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閉経後も長く生存する野生チンパンジー(追記有)

 閉経後も長く生存する野生チンパンジーを報告した研究(Wood et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。選択が閉経もしくはもはや繁殖できなくなった個体の生存継続を促す理由は、明らかではありません。哺乳類では、野生の自然条件下でかなりの数が生存する繁殖後の雌は、ヒトと少数のクジラ種(関連記事)でのみ観察され…
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倉本一宏『紫式部と藤原道長』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』なので、改めて時代背景を把握するために読みました。紫式部は両親とも藤原北家出身ではあるものの傍流で、父方では、曽祖父は中納言でしたが、祖父も父も位階は五位までしか昇進しませんでした…
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サハラ砂漠以南のアフリカ現代人のゲノムから推測される現生人類とネアンデルタール人との間の遺伝子移入

 サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムから現生人類(Homo sapiens)とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)との間の遺伝子移入を推測した研究(Harris et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムか…
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三葉虫の食性

 三葉虫の食性に関する研究(Kraft et al., 2023)が公表されました。三葉虫類は最も象徴的な化石の一群で、カンブリア紀の初期からペルム紀の末期(約5億4100万~2億5200万年前)までの約2億7000万年間にわたる歴史の大半において、海洋生態系を構成する代表的な生物でした。三葉虫類はこれまでに2万種以上が記載されており、…
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中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータ

 中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータを報告した研究(Tao et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、雑穀と稲作の混合農耕が行なわれていた中国南西部の後期新石器時代の高山(Gaoshan)および海門口(Haimenkou)という遺跡2ヶ所の人類遺骸のゲノムの祖先系…
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現生人類の拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異

 現生人類のアフリカからの拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異を推定した研究(Quilodrán et al., 2023)が公表されました。ネアンデルタール人と現生人類との遺伝的混合は今では広く認められており、ネアンデルタール人からの遺伝的影響度について、非アフリカ系現代人集団では大きくはないものの有意な地域差が…
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大河ドラマ『どうする家康』第40回「天下人家康」

 今回は豊臣秀吉没後の政争が描かれました。前回まで、徳川家康と石田三成は少なくとも表面上では協調していましたが、今回はついに両者の決裂が描かれました。家康は朝鮮半島からの撤兵を三成に任せますが、三成では朝鮮半島に出兵していた大名の不満を抑えきることはできない、と最初から考えていたようで、そこに天下取りの好機が見えてくる、との構想だったの…
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『卑弥呼』第118話「一生の夢」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年11月5日号掲載分の感想です。前回は、日下(ヒノモト)の配下に襲撃されたヤノハが、筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)に裏切り者がいるのではないか、とミルカシ女王に疑問を呈したところ、伝書鳩を使えば筑紫島から日下まで一日半ほどで届く、という話を聞かされ、むやみに人を疑うものではない、と自…
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斎藤成也、山田康弘、太田博樹、内藤健、神澤秀明、菅裕『ゲノムでたどる 古代の日本列島』

 東京書籍より2023年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は全体的に、一般向け書籍を意識してか、著者の個人的な履歴も多く、親しみやすい内容になっていると思います。参考文献と索引もありますし、古代ゲノム研究を中心に日本列島の先史時代の学際的研究の現状を理解するための入門書として適していると思います。 0章●斎藤成…
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シクリッドの過去17000年間にわたる進化史

 アフリカ東部のビクトリア湖におけるカワスズメ科のシクリッドの過去17000年間にわたる進化史に関する研究(Ngoepe et al., 2023)が公表されました。適応放散は、生命のきわめて大きな多様性を生み出すのに寄与してきました。適応放散には生態学的な機会が前提条件になると考えられていますが、どの系統が放散するかを決定するうえでの…
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スリランカの人口史

 スリランカの人口史に関する研究(Singh et al., 2023)が公表されました。スリランカというかセイロン島における(まず間違いなく)現生人類(Homo sapiens)の痕跡は48000年前頃までさかのぼり(関連記事)、となる子供と若い成人女性の現生人類遺骸2個体が発見されています(関連記事)。本論文はおもに、スリランカの現…
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アマゾン森林地帯の1万以上の土構造物

 アマゾン森林地帯の土構造物を報告した研究(Peripato et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。先住民社会はアマゾン川流域に12000年間以上居住しており、昔から土構造物を造るとともに景観に手を加えてきましたが、アマゾンの森林に対するその影響の規模は不明なままです。それは、そうした土構造物が人里離れ…
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大河ドラマ『どうする家康』第39回「太閤、くたばる」

 今回は豊臣秀吉の死が描かれました。徳川家康にとって大きな壁として立ちはだかった本作の秀吉は、若い頃の貧窮生活に起因する豊かさと出世への強い欲望が示唆され、天下人となってからはその欲望を制御できなくなり迷走した、という人物造形だったように思います。正直なところ、本作の秀吉は下層から成りあがって天下人になるような人間的魅力があまり描かれず…
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アフリカ東部における前期~中期更新世移行期の人類進化史

 アフリカ東部における前期~中期更新世移行期の人類の痕跡と環境に関する研究(Mounier et al., 2023)が公表されました。アフリカの前期~中期更新世移行期は、ホモ・エルガスター(Homo ergaster)といった初期ホモ属と類似した形態から、分類に議論があるものの(関連記事)、ホモ・ハイデルベルゲンシス(Homo hei…
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北アメリカ大陸の2万年以上前の人類の足跡

 北アメリカ大陸の2万年以上前の人類の足跡を報告した研究(Pigati et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。研究者の間では伝統的に、ヒトが北アメリカ大陸に16000~13000年前頃に到達した、と考えられてきました。しかし最近では、ずっと早い年代を裏づける証拠が蓄積されてきました。2021年には、アメ…
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瀧浪貞子『桓武天皇 決断する君主』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の見解には独特なところがあり、困惑させられることも少なくはなく(関連記事)、専門家からの批判もありますが(関連記事)、その独特さに中毒性があり、つい読みたくなってしまいます。これは、遠山美都男氏の一連の一般向け著作とも通ずるところがある…
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最古の木造建築

 人類による最古の木造建築かもしれない遺物を報告した研究(Barham et al., 2023)が公表されました。木製遺物は保存にきわめて恵まれた条件を必要とするので、前期石器時代のものは稀にしか残っていません。したがって、人類は木を石と同様に古くから使用してきた可能性が高そうではあるものの、200万年以上前の石器も発見されている石と…
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初期現生人類のレヴァント経由でのアフリカからの拡散

 初期現生人類(Homo sapiens)の拡散経路に関する研究(Abbas et al., 2023)が公表されました。現生人類のアフリカからの拡散は、現代人の分布と直結しているだけに、多くの関心が寄せられてきました。本論文は、レヴァント南部の最終間氷期の遺跡の年代測定結果を報告し、この期間に水を利用可能だったレヴァント南部が、現生人…
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哺乳類における同性間性行動の進化

 哺乳類における同性間性行動の進化に関する研究(Gómez et al., 2023)が公表されました。同性間性行動は、無脊椎動物(昆虫、クモ、棘皮動物、線形動物など)から脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など)までの主要な分類群全てを含む1500種以上の動物種で報告されており、とくにヒト以外の霊長類で多く見られ、少なくとも5…
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半野生のアカゲザル個体群における同性間性行動

 半野生のアカゲザル(Macaca mulatta)個体群における同性間性行動を報告した研究(Clive et al., 2023)が公表されました。多くの報告が、動物種全体にわたる同性間の社会的な性行動(same-sex sociosexual behaviour、略してSSB)を記載してきました。しかし、その観察は場当たり的な傾向が…
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大河ドラマ『どうする家康』第38回「唐入り」(追記有)

 今回は唐入り(文禄の役)が描かれました。戦勝が伝えられる中で、豊臣秀吉を諫めたのが浅野長政だったのは意外でしたが、典拠となる史料は何なのでしょうか。以前読んだ本でこの逸話が取り上げられていながら、私が忘れているだけかもしれませんが。本作では徳川家康と石田三成が割と親しい関係にあるので、秀吉には戦勝と伝えられていたものの(緒戦は確かにそ…
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5世紀のパンノニアの墓地の被葬者のゲノムデータ

 5世紀のパンノニアの墓地の被葬者のゲノムデータを報告した研究(Vyask et al., 2023)が公表されました。近年の古代ゲノム研究の進展は目覚ましく、とくにヨーロッパの古代ゲノムデータは他地域よりもずっと多く蓄積されています(関連記事)。ヨーロッパの古代ゲノム研究では中世のデータも蓄積されつつあり、歴史学や考古学だけでは推測の…
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水谷驍『ジプシー史再考』

 柘植書房新社より2018年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は日本でも名称自体はよく知られている「ジプシー」の概説です。著者の執筆動機は、日本社会における「ジプシー」理解が、1970年頃以降の研究の進展を踏まえていない、「インド起源の放浪民族」という古い研究段階に留まっていることです。「ジプシー」の名称は差別的だとして、…
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『卑弥呼』第117話「三国鼎立」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年10月20日号掲載分の感想です。前回は、伊都(イト)国と末盧(マツラ)国の境で襲撃を受けたヤノハが、伊都のイトデ王の援軍で窮地を脱し、日下(ヒノモト)国の吉備津彦(キビツヒコ)が、筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)の日見子(ヒミコ)であるヤノハを警戒しているところで終了しました。今回は…
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古代エジプトのミイラ製作に用いられた香油の成分

 古代エジプトのミイラ製作に用いられた香油の成分を報告した研究(Huber et al., 2023)が公表されました。古代エジプトのミイラ化は、考古学的記録で報告された最も複雑な葬儀慣行のいくつの重要な特徴として、4000年近くにわたって行なわれました。死後のため死者の身体と臓器を保存する死体防腐処理は、エジプトのミイラ化過程の中心的…
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オルドビス紀の脊椎動物の頭部軟骨化石

 オルドビス紀の脊椎動物の頭部軟骨化石を報告した研究(Dearde et al., 2023)が公表されました。神経頭蓋は脊椎動物の頭部の不可欠な要素で、それ自体が重要な進化的新機軸です。しかし、その初期の進化はまだほとんど解明されておらず、顎口類(有顎脊椎動物)と円口類(ヌタウナギ類およびヤツメウナギ類)という2つの現生脊椎動物群の間…
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ユーラシア西部における後期更新世人類の進化の再検討

 ユーラシア西部における後期更新世人類の進化に関する証拠を再検討した研究(Finlayson et al., 2023)が公表されました。本論文は、後期更新世のユーラシア西部における人類進化史の最新の研究状況の把握にたいへん有益です。ユーラシア西部、とくにヨーロッパは、人類進化研究が最も進んでいる地域と言えそうで、更新世の人類化石の発見…
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大河ドラマ『どうする家康』第37回「さらば三河家臣団」

 今回は北条家の滅亡と徳川家の関東移封が描かれました。徳川家の関東移封は、徳川家康が北条家を豊臣秀吉に従属させられなかった責任を取ってのことでもあった、と描かれており、そうした見解をどこかで読んだ記憶があります。本作ではその見解が取り入れられたようです。織田信雄は徳川家の関東(旧北条領)移封に伴って秀吉から徳川旧領への移封を命じられて断…
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ドイツの初期現生人類の生活

 ヒト進化研究ヨーロッパ協会第13回総会で、ドイツにおいて発見された初期現生人類(Homo sapiens)の生活に関する研究(Smith et al., 2023)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P118)。ヨーロッパへの現生人類の時期と拡大およびネアンデルタール人(Homo neanderthalensi…
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