『卑弥呼』第120話「秘薬」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年12月20日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハが那(ナ)国のトメ将軍に、裏切り者である津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)国のアビル王を殺す、と宣言するところで終了しました。今回は、現在から数年前、暈(クマ)の国にある「日の巫女」集団の学舎である種智院(シュチイン)ので、ヤノハが今は亡き山社(ヤマト…
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台湾のオーストロネシア語族話者集団の遺伝的多様性

 台湾のオーストロネシア語族話者集団の遺伝的多様性を報告した研究(Liu et al., 2023)が公表されました。オーストロネシア語族話者の拡大はおそらく台湾から始まり、そこからアジア南東部および太平洋全域へと拡大しました。しかし、台湾のオーストロネシア人集団のかなりの言語学的多様性にも関わらず、オーストロネシア人の拡大に関するゲノ…
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大河ドラマ『どうする家康』第46回「大坂の陣」

 今回は大坂冬の陣が描かれました。茶々の扱いが大きい本作では、大坂の陣へと至る展開でも茶々が目立ち、その意向が強く反映されたように描かれており、大坂方、とくに茶々と大野治長が徳川方を挑発したような描写でした。茶々も大野治長も羽柴秀吉恩顧の大名の加勢を期待していたようですが、じっさいには大坂方に公然と味方した大名はおらず、これに茶々と大野…
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アジア南東部の人類の存在年代と関係

 アジア南東部の人類の存在年代と関係についての研究(Roberts et al., 2023)が公表されました。本論文は、アジア南東部の非現生人類(Homo sapiens)ホモ属である、ホモ・エレクトス(Homo erectus)とホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)とホモ・ルゾネンシス(Homo luzone…
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平田陽一郎『隋 「流星王朝」の光芒』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。日本語の一般向け書籍では、王朝として短命に終わった隋は、唐やその前の南北朝時代、さらには広く魏晋南北朝時代とともに扱われることが多いように思いますが、本書は隋一代を扱っている点で珍しいと言えそうです。ただ、本書も隋王朝だけを扱っているのではなく…
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『ウイニングポスト10 2024』2024年3月発売

 『ウイニングポスト10 2024』が来年(2024年)3月に発売される、と公表されました。私はかつて『ウイニングポスト』シリーズの信者で、98DOS版だった初代から7マキシマム2008まで、PKも含めてパソコン版をすべて購入してきました(関連記事)。しかし、『ウイニングポスト7 2010』以降は購入しない作品もあり、『ウイニングポスト…
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セントヘレナ島の解放奴隷の起源

 セントヘレナ島の解放奴隷の起源に関する研究(Sandoval-Velasco et al., 2023)が公表されました。本論文は、セントヘレナ島の解放されたアフリカ人奴隷の起源を遺伝学的分析により推測しています。大西洋横断奴隷貿易によりアフリカからアメリカ大陸などに多くの人々が奴隷として連行され、人類史における大惨事としてよく知られ…
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フラニ人の人口史

 フラニ人(Fulani)の人口史に関する研究(D’Atanasio et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。世界でも最大級の規模の遊牧民集団であるフラニ人の起源についてはいくつかの仮説が提示されていますが、まだよく分かっていません。本論文は、複数の国から得られたフラニ人および他の現代人…
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大河ドラマ『どうする家康』第45回「二人のプリンス」

 今回は徳川家康と羽柴秀頼の二条城での会見と、大坂の陣へと至る過程が描かれました。これまで秀頼は子役ということもあって、ほとんど個性が描かれておらず、今回初めて人物像が明らかになりました。秀頼は優秀で爽やかな人物として描かれていますが、母親の茶々から家康への憎悪と不信感を植えつけられてきたようなので、その家康観はかなり歪んでいると思われ…
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大相撲九州場所千秋楽

 今場所も横綱の照ノ富士関は全休となりました。巡業では状態が悪そうだったので、休場になりそうだな、とは思っており、意外ではありませんが、今年(2023年)皆勤したのは夏場所だけで、こうも休場が続くと、稀勢の里関の件から横綱の休場を直ちに厳しく咎めるとがめる気にはならなかった私も、さすがにそろそろ横綱審議委員会が何か勧告してもよいのではな…
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ケブカサイのミトコンドリアDNAデータ

 絶滅したケブカサイ(Coelodonta antiquitatis)のミトコンドリアDNA(mtDNA)データを報告した研究(Yuan et al., 2023)が公表されました。ケブカサイは寒冷適応の大型草食動物で、後期更新世においてユーラシア北部全域に広範に分布しており、14000年前頃に絶滅し、人為的影響の点でも注目されます。本…
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伊谷原一、三砂ちづる『ヒトはどこからきたのか サバンナと森の類人猿から』

 亜紀書房より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は著者2人の対談形式になっており、おもに三砂ちづる氏が伊谷原一氏に質問し、対談が進行しています。まず指摘されているのが、人類は森林から開けたサバンナに進出して誕生した、との見解には確たる証拠がないことです。ヒト上科の化石は、人類でも非人類でも、まだ熱帯多雨林から発見…
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前近代ヨーロッパにおける海藻の消費

 前近代ヨーロッパにおける海藻の消費に関する研究(Buckley et al., 2023)が公表されました。ヨーロッパの中石器時代には、水産資源利用の証拠の広範な証拠があります。対照的に、その後の新石器時代は、農耕と土地所有と完全な定住の拡大により特徴づけられ、現代のアジアでは広範に消費されている海洋資源はその後、ヨーロッパの最沿岸地…
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ポーランドの上部旧石器時代の人類の歯の遺伝学的分析

 ポーランドの上部旧石器時代の人類の歯の遺伝学的分析結果を報告した研究(Fewlass et al., 2023)が公表されました。本論文は、ポーランドのボルスカ洞窟(Borsuka Cave)で発見された6点のヒトの歯と112点の草食動物の歯で作られたペンダントについて、最小限の侵襲で分析する手法により、年代測定と遺伝学的分析を行ない…
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『卑弥呼』第119話「有りや、無しや」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年12月5日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハが伊岐(イキ、現在の壱岐諸島でしょう)国のイカツ王と末盧(マツラ)国のミルカシ女王に、津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)を訪れた後は加羅(伽耶、朝鮮半島)まで行こうと考えている、と打ち明けたところで終了しました。前号は休載だったので1ヶ月振りに読めること…
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大河ドラマ『どうする家康』第44回「徳川幕府誕生」

 今回は徳川家康の征夷大将軍就任とその後の政権運営および政争が描かれましたが、時間経過が早く、今回も含めて残り5回で家康と羽柴秀頼との会見に大坂の陣も描かねばならないので仕方のないところでしょうが、駆け足気味だった感は否めません。やはり、家康の生涯を描く大河ドラマとして時間配分が偏っていたように思います。あくまでも豊臣氏羽柴宗家の天下に…
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アジアの中期更新世ホモ属進化史の再検討

 アジアの中期更新世ホモ属進化史を再検討した見解(Bae et al., 2023)が公表されました。本論文は、中華人民共和国黒竜江省ハルビン市で、1993年に松花江(Songhua River)での東江橋(Dongjiang Bridg)の建設中に発見された、と報告されているホモ属頭蓋の分析(Ni et al., 2021)が、アジア…
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突厥王族出身の北周の阿史那皇后のゲノムデータ

 北周の阿史那(Ashina)皇后のゲノムデータを報告した研究(Yang et al., 2023)が公表されました。本論文は、突厥王族出身の北周の阿史那皇后のゲノムデータを示し、ユーラシアの古代人および現代人集団と比較しました。阿史那皇后のゲノムはほぼ完全にアジア北東部的な遺伝的構成要素で示され、わずかにユーラシア西部関連の遺伝的構成…
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川幡穂高『気候変動と「日本人」20万年史』

 岩波書店より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は気候変動の視点からの人類進化史で、近年飛躍的に発展した古代DNA研究の成果も多く取り入れられています。本書はまず、現在の有力説にしたがって、現代人の究極の起源地がアフリカにあることを指摘します。本書では、現生人類の起源は化石および分子生物の証拠から20万年前頃とさ…
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縄文時代早期の人類のミトコンドリアDNAデータ

 縄文時代早期の人類のミトコンドリアDNA(mtDNA)データを報告した研究(Mizuno et al., 2023)が公表されました。mtDNAは核DNAと比較して解析が容易なため、かつては人類進化史の研究の主流とも言えました。現在では核DNAの解析が容易となり、核ゲノムデータによる人類進化史の研究が主流となっていますが、古代人のDN…
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新アッシリアの宮殿の煉瓦から得られた古代DNA

 新アッシリアの宮殿の煉瓦から得られた古代DNAを報告した研究(Arbøll et al., 2023)が報道されました。古代DNAの配列決定技術の最近の進展は、現代よりも前の文明【当ブログでは原則として文明という用語を使わないことにしていますが、この記事では「civilization」の訳語として使います】への貴重な洞察を提供してきま…
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オルドビス紀の海洋生物多様性に対する地球規模の寒冷化の影響

 オルドビス紀(4億9000万~4億3000万年前頃)の海洋生物多様性に対する地球規模の寒冷化の影響に関する研究(Ontiveros et al., 2023)が公表されました。地球規模の寒冷化は、顕生代の海洋性動物の最大の放散である、多様性爆発事象(Great Ordovician Biodiversification Event)と…
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歯石のDNAから推測される食性の変化

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、先史時代のヒト遺骸の歯石のDNAから食性の変化を推測した研究(Quagliariello et al., 2022)が公表されました。ヒトの微生物群系は最近、宿主の生活と健康に関する貴重な情報源となりました。しかし、ヒトの微生物群系が農耕へと向かう新石器時代への移行など人類史の重要な段階にお…
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大河ドラマ『どうする家康』第43回「関ヶ原の戦い」

 今回はついに関ヶ原合戦が描かれました。本作の関ヶ原合戦は徳川家康と石田三成の対決として描かれており、実際の関ヶ原合戦というかより広く関ヶ原戦役は様相が異なっているのかもしれませんが、創作ドラマとしてはこれでよいのではないか、と思います。関ヶ原合戦の戦闘場面は、戦国時代後期~江戸時代初期を題材とした今後の大河ドラマでも使いまわせるよう、…
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限定的だったイエネコとヨーロッパヤマネコとの間の遺伝的混合

 イエネコ(Felis silvestris catus)とヨーロッパヤマネコ(Felis silvestris)との間の歴史的に限定的だった遺伝的混合を報告した研究(Jamieson et al., 2023)が公表されました。近東のリビアヤマネコ(Felis lybica)に起源があるイエネコは、ヒトとともにヨーロッパへと拡散しまし…
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森本公誠『イブン=ハルドゥーン』

 講談社学術文庫の一冊として、2011年6月に講談社より刊行されました。本書の親本『人類の知的遺産22 イブン=ハルドゥーン』は1980年に講談社より刊行されました。電子書籍での購入です。イブン=ハルドゥーンとその著書の『歴史序説』はよく知られているでしょうが、その生涯や『歴史序説』の具体的な内容は現代日本社会ではさほど知られていないで…
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タイのフムイ語話者の人口史

 タイのフムイ(Khmuic)語話者の人口史に関する研究(Kampuansai et al., 2023)が公表されました。本論文は、タイのフムイ語話者について、現代人および古代人のゲノムデータから、その遺伝的多様性と祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)について検証しています。現在アジア南東部には多様な民族集団が存…
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メキシコ人の遺伝的多様性

 メキシコ人の遺伝的多様性を報告した二つの研究が公表されました。一方の研究(Sohail et al., 2023)は、メキシコ生物銀行計画で得られたメキシコ人のゲノムデータを報告しています。ラテンアメリカの人々を調べたゲノム研究はまだにたいへん少なく、詳細な遺伝学的歴史や複雑形質の構造は、データが不充分なため明らかになっていません。こ…
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ヤツメウナギの進化

 ヤツメウナギの進化に関する研究(Wu et al., 2023)が報道されました。ヤツメウナギは、無顎脊椎動物の現生2系統のうちの1系統で、歯のある口吸盤での摂食行動や、幼生期と変態期と成体期で構成される生活環の点で、常に興味深い存在です。古生代の最初期のヤツメウナギは、体長がわずか数cmと小さく、摂食構造が弱くて、生活環に転換期の段…
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ボルネオ島の狩猟採集民の人口史

 ボルネオ島(カリマンタン島)の狩猟採集民の人口史に関する研究(Kusuma et al., 2023)が公表されました。本論文は、アジア東部および南東部の現代人と古代人のゲノムデータから、ボルネオ島のプナン人(Punan)の狩猟採集民共同体が長期にわたってボルネオ島に居住していた可能性を示します。アジア南東部本土および島嶼部には、複数…
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大河ドラマ『どうする家康』第42回「天下分け目」

 今回は関ヶ原戦役の緒戦となる伏見城での攻防が描かれ、鳥居元忠にとっては最大の見せ場となりそうなので、千代の動向とともに注目していました。大坂城を占拠した西軍は伏見城に向かい、鳥居元忠は籠城し、千代とともに奮戦したものの、衆寡敵せず、千代とともに討ち死にします。伏見城での攻防戦にはなかなか時間が割かれており、見せ場になっていたと思います…
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トラの進化史

 トラ(Panthera tigris)の進化史に関する研究(Sun et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。大型捕食動物であるトラは、同じヒョウ属のライオン(Panthera leo)とともに古くからヒトに畏怖されてきたようで、現在でも関心は高いようです。本論文は、現代だけではなく古代…
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長谷川眞理子『進化的人間考』

 東京大学出版会より2023年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、人文および社会科学と自然科学のヒト理解の統合を試みます。気宇壮大ですが、研究の細分化が進んだ現代において、こうした学際的な試みに一人で取り組むことが困難なのは当然で、ほとんどの場合は上手くいかないものだと思います。しかし、本書の著者は碩学なので、得るものが…
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沖縄島と宮古諸島の人類集団の形成史

 沖縄島と宮古諸島の人類集団の形成史に関する研究(Koganebuchi et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。本論文は、現代人と古代人のゲノムデータに基づいて、宮古諸島と沖縄島の現代人集団の形成過程を検証しています。本論文は、琉球諸島の現代人集団が、共通の琉球「縄文人」集団を祖先として、グスク時代にお…
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ネアンデルタール人によるホラアナライオンの狩猟

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)によるホラアナライオン(Panthera spelaea)の狩猟を報告した研究(Russo et al., 2023)が公表されました。大型哺乳類、頂点捕食者、アフリカ起源、世界規模での拡大、深刻なボトルネック(瓶首効果)経験(関連記事)、複雑な交雑史などといった点で、ラ…
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三畳紀の爬虫類化石

 ブラジルで発見された三畳紀の爬虫類化石を報告した研究(Müller et al., 2023)が公表されました。恐竜類と翼竜類は、中生代の大半を通じて驚くべき多様性と差異を有していました。これらの爬虫類は、出現から間もなく多様化して、長く存続することになる複数の系統を生み出し、前例のない生態(たとえば、飛行や植食性の大型形態)を進化さ…
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クリミアの上部旧石器時代の現生人類のゲノムデータ

 クリミアで発見された上部旧石器時代の現生人類(Homo sapiens)のゲノムデータを報告した研究(Bennett et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、クリミア半島南部に位置するブラン・カヤ3(Buran-Kaya III)遺跡で発見された現生人類2個体のゲノムデータを…
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大河ドラマ『どうする家康』第41回「逆襲の三成」

 今回は失脚した石田三成の決起までが描かれました。すでに天下人ともみなされるようになった徳川家康の権勢を、茶々は苦々しく見ています。茶々は自分の母親を殺害に追い込み、後に夫となった羽柴秀吉よりも、賤ヶ岳合戦で援軍を派遣しなかった家康の方を恨んでいるので、家康の権勢を苦々しく思うのは当然ですが、家康に大軍を率いて上杉討伐に赴くよう促したの…
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閉経後も長く生存する野生チンパンジー(追記有)

 閉経後も長く生存する野生チンパンジーを報告した研究(Wood et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。選択が閉経もしくはもはや繁殖できなくなった個体の生存継続を促す理由は、明らかではありません。哺乳類では、野生の自然条件下でかなりの数が生存する繁殖後の雌は、ヒトと少数のクジラ種(関連記事)でのみ観察され…
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倉本一宏『紫式部と藤原道長』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』なので、改めて時代背景を把握するために読みました。紫式部は両親とも藤原北家出身ではあるものの傍流で、父方では、曽祖父は中納言でしたが、祖父も父も位階は五位までしか昇進しませんでした…
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サハラ砂漠以南のアフリカ現代人のゲノムから推測される現生人類とネアンデルタール人との間の遺伝子移入

 サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムから現生人類(Homo sapiens)とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)との間の遺伝子移入を推測した研究(Harris et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムか…
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三葉虫の食性

 三葉虫の食性に関する研究(Kraft et al., 2023)が公表されました。三葉虫類は最も象徴的な化石の一群で、カンブリア紀の初期からペルム紀の末期(約5億4100万~2億5200万年前)までの約2億7000万年間にわたる歴史の大半において、海洋生態系を構成する代表的な生物でした。三葉虫類はこれまでに2万種以上が記載されており、…
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中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータ

 中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータを報告した研究(Tao et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、雑穀と稲作の混合農耕が行なわれていた中国南西部の後期新石器時代の高山(Gaoshan)および海門口(Haimenkou)という遺跡2ヶ所の人類遺骸のゲノムの祖先系…
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現生人類の拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異

 現生人類のアフリカからの拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異を推定した研究(Quilodrán et al., 2023)が公表されました。ネアンデルタール人と現生人類との遺伝的混合は今では広く認められており、ネアンデルタール人からの遺伝的影響度について、非アフリカ系現代人集団では大きくはないものの有意な地域差が…
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大河ドラマ『どうする家康』第40回「天下人家康」

 今回は豊臣秀吉没後の政争が描かれました。前回まで、徳川家康と石田三成は少なくとも表面上では協調していましたが、今回はついに両者の決裂が描かれました。家康は朝鮮半島からの撤兵を三成に任せますが、三成では朝鮮半島に出兵していた大名の不満を抑えきることはできない、と最初から考えていたようで、そこに天下取りの好機が見えてくる、との構想だったの…
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『卑弥呼』第118話「一生の夢」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年11月5日号掲載分の感想です。前回は、日下(ヒノモト)の配下に襲撃されたヤノハが、筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)に裏切り者がいるのではないか、とミルカシ女王に疑問を呈したところ、伝書鳩を使えば筑紫島から日下まで一日半ほどで届く、という話を聞かされ、むやみに人を疑うものではない、と自…
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斎藤成也、山田康弘、太田博樹、内藤健、神澤秀明、菅裕『ゲノムでたどる 古代の日本列島』

 東京書籍より2023年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は全体的に、一般向け書籍を意識してか、著者の個人的な履歴も多く、親しみやすい内容になっていると思います。参考文献と索引もありますし、古代ゲノム研究を中心に日本列島の先史時代の学際的研究の現状を理解するための入門書として適していると思います。 0章●斎藤成…
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シクリッドの過去17000年間にわたる進化史

 アフリカ東部のビクトリア湖におけるカワスズメ科のシクリッドの過去17000年間にわたる進化史に関する研究(Ngoepe et al., 2023)が公表されました。適応放散は、生命のきわめて大きな多様性を生み出すのに寄与してきました。適応放散には生態学的な機会が前提条件になると考えられていますが、どの系統が放散するかを決定するうえでの…
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スリランカの人口史

 スリランカの人口史に関する研究(Singh et al., 2023)が公表されました。スリランカというかセイロン島における(まず間違いなく)現生人類(Homo sapiens)の痕跡は48000年前頃までさかのぼり(関連記事)、となる子供と若い成人女性の現生人類遺骸2個体が発見されています(関連記事)。本論文はおもに、スリランカの現…
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アマゾン森林地帯の1万以上の土構造物

 アマゾン森林地帯の土構造物を報告した研究(Peripato et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。先住民社会はアマゾン川流域に12000年間以上居住しており、昔から土構造物を造るとともに景観に手を加えてきましたが、アマゾンの森林に対するその影響の規模は不明なままです。それは、そうした土構造物が人里離れ…
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