『卑弥呼』第132話「告白 其の二」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年7月5日号掲載分の感想です。前回は、馬韓の蘇塗(ソト)の邑で、馬韓の湖南(コナム)国の王が派遣した兵隊を、倭人であるゴリとその配下の兵士が撃退し、ヤノハがゴリに、その顔の黥はトンカラリンの洞窟の地図で、ゴリこそ、暈(クマ)国のタケル王と大夫である鞠智彦(ククチヒコ)がトンカラリンの洞窟内の地図を作…
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左利きと関連する遺伝的多様体

 左利きと関連する遺伝的多様体についての研究(Schijven et al., 2024)が公表されました。左利きのヒトは全体の約10%で、すでにホモ・ハビリス(Homo habilis)において右利きの個体が確認されており(関連記事)、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)においても右利きが圧倒的に多かっただ…
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チンパンジーの社会的学習

 チンパンジーの社会的学習に関する研究(Leeuwen et al., 2024)が公表されました。文化の累積的進化は、現生人類(Homo sapiens)の生物学的成功に重要なヒトに特有の現象と主張されてきました。累積的な文化進化出現の一つの妥当な条件は、社会的学習を使用して、自身では容易に確信できない方法を獲得する個体の能力です。チ…
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類人猿の性染色体の完全な配列

 類人猿の性染色体の完全な配列を報告した研究(Makova et al., 2024)が公表されました。当ブログでは、以前にはヒトも類人猿に含めており、非ヒト類人猿という用語も使いましたが、最近では、その語源から類人猿にヒトを含めるのは妥当ではない、と考えるようになりました。類人猿を単系統群(クレード)と定義せねばならない合理的な理由は…
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大河ドラマ『光る君へ』第24回「忘れえぬ人」

 前回、紫式部(まひろ)が越前で藤原宣孝から求婚され、周明とも親しくなり、もちろん藤原道長(三郎)は紫式部にとって今でも忘れられない人なわけで、宣孝からの求婚にどう対応するのか、注目していました。紫式部は即答せず、周明との決別に近い関係の変化や、友人の死亡などもあり、宣孝の妻となる決意をします。紫式部と宣孝の間には娘(賢子)が生まれ、今…
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青銅器時代ユーラシア北部の人口史と文化との関連

 古代ゲノムデータに基づく青銅器時代ユーラシア北部の人口史と文化との関連を検証した研究(Childebayeva et al., 2024)が公表されました。本論文は、とくにロシアのオムスク州のロストフカ(Rostovka、略してROT)遺跡とムルマンスク州のコラ(Kola)にあるボリショイ・オレニー・オストロフ(Bolshoy Ole…
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楊海英『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』

 2020年12月に徳間書店より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国の独特なナショナリズムを「中国流官制ナショナリズム」と呼び、それが中国に支配されている地域や日本も含めてその近隣諸国にとって問題のある概念であるとともに、脅威となっていることを指摘します。本書が対象としている主要な(というかほぼ全ての)読者は日本人でしょうか…
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エジプトの東部砂漠の前期石器時代と中期石器時代

 エジプトの東部砂漠の前期石器時代と中期石器時代の石器を報告した研究(Leplongeon et al., 2024)が公表されました。エジプトについては、古王国以降の歴史がよく知られているでしょうが、現生人類(Homo sapiens)だけではなく他の人類のアフリカからの拡散経路においても、重要な役割を果たしたと考えられます。エジプト…
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オーストラリアの人類史

 オーストラリアの人類史に関する概説(Gross., 2024)が公表されました。本論文はオーストラリアの初期人類史の概説で、おもに現生人類(Homo sapiens)のオーストラリアへの初期拡散に焦点を当てていますが、更新世の寒冷期には現在のオーストラリア大陸とニューギニア島とタスマニア島は陸続きで、サフルランドを構成していました。ま…
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雄マウスの仔育てに影響を及ぼすかもしれない副腎細胞の進化

 副腎細胞の進化による雄マウスの仔育てへの影響についての研究(Niepoth et al., 2024)が公表されました。特殊化した機能を持つ細胞の種類は動物の行動を根本的に調節しますが、新たな種類の細胞の出現や、それらが行動に及ぼす影響の根底にある遺伝学的機構はよく分かっていません。本論文は、両親が仔の世話をする一夫一妻(単婚、一雄一…
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イランの更新世の石器

 イランの更新世の石器を報告した研究(Hashemi et al., 2024)が公表されました。本論文は、イラン中央砂漠北部(the northern part of the Iranian Central Desert、略してNICD)に位置するセムナーン(Semnan)州のエイヴァーネケイ(Eyvanekey)遺跡の、少なくとも中…
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大河ドラマ『光る君へ』第23回「雪の舞うころ」

 今回も越前編となり、宋の見習い医師とされていた周明が、前回終盤で流暢な日本語を話したことで、その出自に注目していましたが、対馬生まれで、父親から海に捨てられたところを宋の舟に拾われ、奴隷のような扱いを受けたので、逃げだして医師の弟子になった、と周明は紫式部(まひろ)に打ち明けました。紫式部は周明から宋の言葉を学び、周明を通じて紫式部の…
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『地球ドラマチック』「ネアンデルタール人vs.ホモ・サピエンス」

 NHK教育テレビで放送されたので、視聴しました。ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)とを近年までの研究に基づいて比較し、ネアンデルタール人の絶滅理由を検証しており、フランスで2023年に放送された番組の日本語版のようです。『地球ドラマチック』では2021年に、「ネアンデ…
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原田信男『日本の食はどう変わってきたか 神の食事から魚肉ソーセージまで』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2013年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は食文化の変遷から見た日本史で、食文化の変遷を歴史的背景に位置づけています。本書がまず指摘するのは、アジア東部および南東部の稲作文化圏とは異なり、日本では古代において国家が肉食を禁じたことで、ブタの飼育が沖縄など一部を除いて行なわれなくなっ…
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日本列島の人類集団における農耕前後の適応の比較

 日本列島の人類集団における農耕前後の適応の比較を検証した研究(Cooke et al., 2024)が公表されました。本論文は、日本列島における本格的な農耕の前後の人類集団の適応の違いを、遺伝的多様体の頻度の比較から検証しています。具体的には、エクトジスプラシンA受容体(ectodysplasin A receptor、略してEDAR…
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『卑弥呼』第131話「告白 其の一」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年6月20日号掲載分の感想です。前回は、馬韓の蘇塗(ソト)の邑で、馬韓の湖南(コナム)国の王が派遣した兵隊に、ゴリと名乗る大柄な倭人が弓を向け、それをヤノハが背後から見守っているところで終了しました。今回は、その場面の続きから始まります。ゴリは湖南国の兵隊に朝鮮語で、王といえども立ち入り禁止のはず、…
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『卑弥呼』第16集発売

 待望の第16集が発売されました。第16集には、 口伝119「有りや、無しや」 https://sicambre.seesaa.net/article/202311article_22.html 口伝120「秘薬」 https://sicambre.seesaa.net/article/202312article_6.h…
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アジア南西部の旧石器時代

 おもに古代ゲノム研究に基づくアジア南西部の旧石器時代の概説(Miedzianogora., 2024)が公表されました。アジア南西部はアフリカからの現生人類(Homo sapiens)の拡散においてたいへん重要な地域で、最近もイラン高原に注目した研究が刊行されました(Vallini et al., 2024)。本論文は、アフリカからの…
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大河ドラマ『光る君へ』第22回「越前の出会い」

 今回から本格的に越前編となります。主人公の紫式部(まひろ)の越前での見聞が主題となり、一方で藤原道長(三郎)が準主人公というべき重要人物であるため、都での様子も描くことができます。大河ドラマでは、2008年放送の『篤姫』などで採用されてきた構成で、上手くいけば無理なく複数の局面を描けますが、本作では今のところ、『篤姫』と同じくこの構成…
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バオバブの進化史

 バオバブの進化史に関する研究(Wan et al., 2024)が公表されました。バオバブの木(アダンソニア属の高木類)は、その印象的な形状と、動物相との独特な関係性から、きわめて大きな注目を集めてきました。目を見張るようなこれらの木々はまた、人類の文化にも影響を及ぼし、無数の芸術や伝説、伝統に着想を与えてきており、アフリカの象徴的な…
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長谷川政美『進化生物学者、身近な生きものの起源をたどる』

 ベレ出版より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、イヌやネコから昆虫や植物まで、身近な生物の起源を解説しており、以下、とくに興味深い見解を備忘録として取り上げます。身近な生物の代表格とも言えるイヌについては、近年の研究(関連記事)を踏まえて、アジア東部起源と推測されています。イヌはアジア東部にいたハイイロオオ…
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過去の人類集団の復元力を強化した頻繁な撹乱

 頻繁な撹乱による過去の人類集団の復元力強化を示した研究(Riris et al., 2024)が公表されました。過去の人類の適応の記録は、未来の危機への対応を導く上で重要な教訓をもたらします。これまで、人類が時間とともに撹乱を吸収してそこから回復する能力について、体系的・全球的に比較されたことはなかった。レジリエンス(復元力)とは、危…
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鳥類の進化の複雑さ

 科の水準でのゲノム解析から鳥類の進化の複雑を示した研究(Stiller et al., 2024)が公表されました。鳥類の主要な系統間の関係については、過去数十年にわたる多大な努力にも関わらず、明確な解決策がないまま、依然として激しい議論が続いています。こうした見解の相違は、標本種の多様性、系統発生学的な方法、ゲノム領域の選択に起因す…
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牛乳摂取量と2型糖尿病との関連

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、牛乳摂取量と2型糖尿病(type 2 diabetes、略してT2D)との関連についての研究(Luo et al., 2024)が公表されました。牛乳はヒトの食性に含まれることが多いものの、牛乳摂取量と2型糖尿病との間の関係には依然として議論の余地があります。ラクターゼ(Lactase、略してLCT…
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大河ドラマ『光る君へ』第21回「旅立ち」

 今回は、長徳の変の結末とともに、父親の藤原為時が越前守に任じられたことに伴い、紫式部(まひろ)も都を離れて越前に赴いたところまで描かれました。この後、紫式部は藤原宣孝と結婚し、娘が生まれ、夫との死別後?に『源氏物語』の執筆を始めたようで、この越前行きは紫式部にとって転機と言えそうです。本作でも、紫式部の越前での経験はかなり丁寧に描かれ…
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大相撲夏場所千秋楽

 先場所新入幕で優勝した尊富士関と、三役に復帰した朝乃山関の休場は残念でしたが、1横綱4大関全員が出場してきました。しかし、初日に1横綱4大関全員が敗れる大波乱となり、あまりにも相撲内容の悪かった横綱の照ノ富士関は2日目から休場となりました。稀勢の里関の悪例があるので、横綱の休場にはできるだけ寛容であるべきと考えていますが、さすがに照ノ…
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チベット高原西部の人口史

 チベット高原西部の人類集団の古代ゲノムデータを報告した研究(Bai et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。チベット高原は、現生人類(Homo sapiens)のみならず、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の存在も確認されており、その独特な人類進化史で注目されてい…
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寺西貞弘『道鏡 悪僧と呼ばれた男の真実』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2024年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書冒頭で述べられているように、道鏡は戦前には平将門および足利尊氏(高氏)とともに「天下の三大悪人」と称されていました。戦後、平将門と足利尊氏は、大河ドラマの主人公となったように、通俗的な印象は戦前よりかなりよくなっているでしょうが、道鏡の通俗的…
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仔の適応度に影響を与える父系微生物叢の乱れ

 父系微生物叢の乱れによる仔の適応度への影響に関する研究(Argaw-Denboba et al., 2024)が公表されました。腸内微生物叢は、宿主と環境が相互作用する境界面で作用し、ヒトの恒常性や代謝網に影響を及ぼします。したがって、腸内の微生物生態系の均衡を乱す環境因子は、体細胞組織全体にわたる生理学的応答および疾患関連応答を形作…
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アフリカ北部の農耕開始前の狩猟採集民における植物性食料への高い依存

 アフリカ北部の農耕開始前の狩猟採集民における植物性食料への高い依存を報告した研究(Moubtahij et al., 2024)が公表されました。本論文は、亜鉛(Zn)やストロンチウム(Sr)や炭素(C)や窒素(N)や硫黄(S)の同位体を用いて、農耕開始の数千年前となるアフリカ北部の後期石器時代の狩猟採集民の食性が、植物性食料に強く依…
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頭蓋形態の比較に基づく過去50万年間のホモ属の進化

 頭蓋形態の比較に基づいて過去50万年間のホモ属の進化を検証した研究(Neves et al., 2024)が公表されました。本論文は、21世紀における新たな更新世ホモ属化石の発見や、分子生物学の飛躍的な発展を踏まえて、保存状態良好な過去50万年間のヨーロッパとアフリカとアジアで発見された86点のホモ属化石を比較し、現生人類の起源につい…
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『卑弥呼』第130話「駆け引き」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年6月5日号掲載分の感想です。前号は休載だったので、この間が長く感じました。前回は、馬韓の蘇塗(ソト)の邑で、ヤノハがゴリと名乗る倭人から、浮屠(ブット)の教え、つまり仏教の教義を聞いたところで終了しました。今回は、ヤノハがヌカデに自分の想いを語る場面の回想から始まります。最初、自分を守るためだけに…
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大河ドラマ『光る君へ』第20回「望みの先に」

 今回は、前回から引き続き長徳の変が描かれました。藤原道長(三郎)にとって甥であり、政敵でもある藤原伊周と藤原隆家の兄弟はこれで失脚し、道長の権力基盤はより強固になるわけですが、道長はこの機に伊周と隆家に徹底的な打撃を与えるのではなく、伊周と隆家の呪詛の疑惑(当初、仕込んだのは藤原詮子と思いましたが、源倫子の可能性も考え、結局、口の軽い…
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文化により異なる動機づけ効果

 文化により異なる動機づけ効果を報告した研究(Medvedev et al., 2024)が公表されました。金銭は、努力を要する行動の主要な動機づけ要因と考えられることが多く、金銭や金銭以外の報酬の有効性を理解することには、現実的な意味合いがあります。努力行為の動機づけは、雇用主と政府と非営利団体が世界的に直面する問題です。しかし、動機…
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宮嵜麻子『ローマ帝国の誕生』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2024年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はローマが帝国となっていく過程を検証し、おもにローマが大国化していく紀元前3世紀末からアウグストゥスの頃までを対象としていますが、それ以前の地中海地域の一都市国家だった時代も取り上げられています。確かに、ローマ帝国の成立において、規模や勢力…
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更新世にさかのぼるオーストラリアにおける人為的な火の制御

 更新世にさかのぼるオーストラリアにおける人為的な火の制御を報告した研究(Bird et al., 2024)が公表されました。オーストラリア大陸にヨーロッパ人が到来した時点で、洗練された先住民社会はオーストラリアの広範な熱帯サバンナ全域で土地の管理を行なっていました。オーストラリアの先住民共同体において火は長い間、景観を社会に有益な形…
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古代中東における暴力の傾向

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、古代中東における暴力の傾向に関する研究(Baten et al., 2023)が公表されました。初期のヒト社会において、個人間の暴力(暴行、殺人、奴隷、拷問、独裁、残酷な刑罰、暴力的抗争など)はどのように発展したのでしょうか?殺人の記録が最近のものでしか利用できないことを考えると、ヒトの歴史の大半は…
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ドイツの初期現生人類の環境と生活

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ドイツで発見された初期現生人類(Homo sapiens)の環境と生活に関する二つの研究が公表されました。この二つの研究は、ドイツのテューリンゲン州(Thuringia)のオーラ川(Orla River)流域に位置するラニス(Ranis)のイルゼン洞窟(Ilsenhöhle)で発見された、中部旧石器…
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大河ドラマ『光る君へ』第19回「放たれた矢」

 今回は、内覧に任じられた藤原道長(三郎)と、関白を望んで叶わなかった藤原伊周との政争と、それをめぐる周囲の思惑が中心に描かれました。伊周は父親の道隆により経験に見合わないほど高い地位に引き立てられ、道隆の強引な入内工作もあり、本作では中関白家全体が貴族層で広く反感を買っているように思います。伊周の妹で一条天皇の中宮である定子はそれをよ…
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脊椎動物の黎明期の神経冠に起源がある交感神経系

 交感神経系の起源に関する研究(Edens et al., 2024)が公表されました。神経冠は脊椎動物に固有の胚性幹細胞集団で、脊椎動物の進化は、その拡大と多様化により、新たな細胞の種類と顎や末梢神経節などの新規構造の出現が可能になったことで促進された、と考えられています。無顎脊椎動物にも感覚神経節はありますが、体幹の交感神経鎖につい…
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アヴァール人の社会的慣行

 アヴァール人の社会的慣行を分析した学際的研究(Gnecchi-Ruscone et al., 2024)が公表されました。本論文は、6~9世紀にヨーロッパ中央部東方に存在したアヴァール人の社会的慣行を、遺伝学(古代ゲノム解析)と考古学と人類学と歴史学と組み合わせて分析しています。その結果、9世代にまたがり、約300個体から構成される大…
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篠川賢『国造 大和政権と地方豪族』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。国造の設置は、記紀によると成務「天皇」の時に始まりました。ただ、成務天皇の実在性には疑問が呈されており、本書も成務天皇の国風諡号が7世紀風(タラシヒコ)であることから、その実在性には否定的で、あくまでも記紀の歴史認識だと指摘しています。本書は…
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古代の染色体異常

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、古代の染色体異常を報告した研究(Rohrlach et al., 2024)が公表されました。異数性、とくにトリソミーは現在、ヒト遺伝学で観察される最も一般的な遺伝子異常を表しています。染色体トリソミーを有する人は、細胞内に特定の染色体が2本ではなく3本あります。21番染色体のトリソミーはダウン症候…
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ヒトのセントロメアの多様性と進化

 ヒトのセントロメアの多様性と進化に関する研究(Logsdon et al., 2024)が公表されました。ヒトのセントロメアは、その反復性と規模の大きさから、これまで塩基配列の解読やアセンブリがひじょうに困難でした。そのため、セントロメアは最も急速に変異が起こる領域の一つであるにも関わらず、ヒトのセントロメアの多様性パターンや、進化お…
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アジア東部および南東部への人類の拡散

 アジア東部および南東部への人類の拡散に関する概説(Sawafuji et al., 2024)が公表されました。本論文は、化石(形態学的)証拠と分子生物学的証拠を統合し、現生人類(Homo sapiens)に限らず、ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)やホモ・ルゾネンシス(Homo luzonensis)やホモ…
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ヨーロッパ最古級の石器

 ヨーロッパ最古級の石器を報告した研究(Garba et al., 2024)が公表されました。人類がユーラシアに到達したのは200万~100万年前頃と考えられてきましたが、近年ではヨルダンにおいて248万年前頃(関連記事)、中国において212万年前頃(関連記事)までさかのぼるかもしれない石器が発見されています。ただ、そうした痕跡はまだ…
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大河ドラマ『光る君へ』第18回「岐路」

 前回から、藤原道長(三郎)にとって大きな転機となった995年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)の政局が描かれており、道長は本作の準主人公とも言える重要人物だけに、この過程は丁寧に描かれています。995年には、前回描かれたように、4月に関白で道長の兄である道隆が死亡し、道隆は息子の伊周に関白を継承させるべく、一条天…
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現生人類のアフリカからの拡散時の気候

 現生人類(Homo sapiens)のアフリカからの拡散時の気候に関する研究(Kappelman et al., 2024)が公表されました。現生人類は10万年前頃までに何度もアフリカから拡散していましたが、非アフリカ系現代人の主要な祖先となる現生人類集団がアフリカから拡散したのは10万年前頃以降です(関連記事)。ほとんどのモデルでは…
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金子拓『長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、長篠合戦の「実像」だけではなく、通俗的な長篠合戦像の形成過程も検証しており、新書であることを意識してか、一般向けに分かりやすい構成になっているように思います。近代以降の長篠合戦像の基礎となったのは参謀本部編纂の『日本戦史』で、その認識…
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片親起源効果の根底にある利己的な対立

 片親起源効果(parent-of-origin effect)を進化させた機構に関する研究(Pliota et al., 2024)が公表されました。ゲノムインプリンティングは、母親由来ゲノムと父親由来ゲノムが同等でなくなる現象で、多くの植物種および哺乳類種において独立に進化してきた重要な過程です。親族理論によれば、インプリンティング…
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